サイトアイコン 旧閑ガゼッタ

「ハリルホジッチが試合を見ていたら、代表にジェイが居ればと思っただろうに」J2第27節 ファジアーノ岡山-ジュビロ磐田

東アジアカップなど全く関係無しに、真夏でも淡々と試合が続けられているJ2。たまたまBSスカパーで放送があったのでファジアーノ岡山と磐田の試合を見てみたのだが、翌日に行われた日本代表と磐田の苦しみ方がほとんど同じで苦笑いするしか無かったね。

磐田の試合への入りは素晴らしく、1トップのジェイが左右に流れたり中盤に下がったりと縦横無尽なポストプレイで基点を作ると、リターンをもらってからストライドの長さを活かしたドリブルで突破を図り、そこにアダイウトンや小林祐希がゴール前で絡む迫力のある攻撃でファジアーノを圧倒する。

が、そのジェイが前半わずか10分ぐらいで早くもガス欠(笑)。その後は岡山のDFラインに張り付いたままボールを待っているだけになり、磐田は前線で全くボールが収まらなくなったため、ボールへの集散スピードで上回る岡山がセカンドボールを拾ってペースを握り返し、その流れでロングスローからフリーになっていた岩政がヘディングを決め、ファジアーノが先制点をゲット。

磐田は、攻撃の時はそれなりに全体が押し上げてはいるものの、守備に回ると4バックがかなり早いタイミングでスッと戻ってしまい、ラインに何とか付いてくるのはボランチぐらいで4-2の形で守らざるを得ない場合が多く、特にアダイウトンの戻りが遅くて駒野の前にスペースが出来やすく、そこに1トップの久保が流れてサイドで数的優位を作られるなど厳しい状況。

しかし36分に、右SBから太田に縦パスが通ると、太田はそのままスピードを殺さず相手の守備を振り切ってクロスを上げ、センターに飛び込んだジェイの頭にドンピシャで合うという、おそらくハリルホジッチもこれがやりたかったんだろうなという見事な速攻で磐田が個人の力で追いついてしまう。

後半もやはりファジアーノペースは変わらず、磐田はゾーンが薄い上にバイタルをカバーする動きも少なくなって基点を作られ放題になるが、何本かあった決定的なシュートは何とかGKカミンスキーの長いリーチで跳ね飛ばすと、30分頃からようやくファジアーノの運動量が落ち始めて逆に磐田がボールを支配、今度は磐田のほうがなかなかチャンスを物に出来ず代表のように一発でやられてしまうのかなと思ったが、最後は松浦のスルーパスに反応した川辺が流し込んでロスタイムに決勝点が決まった。

磐田にとってはラッキーな、ファジアーノにとっては悔しい結果になってしまったが、これでファジアーノが6試合未勝利とは思えない内容だったのは事実。決定力という最後の問題はあるにしても、攻撃の組み立てやオフザボールの統一性、インテンシティの高さは見事なものだった。クラブの経営能力などポテンシャルは高いクラブだと思っているので、何とか成績がブレイクして欲しいね。

モバイルバージョンを終了