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「スプリント回数で柏を5割上回った湘南の圧勝」J1 2ndステージ第5節 湘南ベルマーレ-柏レイソル

1点差の試合を拾ったり落としたりと粘りながら年間順位で中位に付けている湘南ベルマーレと、2ndステージはここまで3勝1敗と好調なスタートを切った柏レイソルとの試合は、湘南が3-0という意外な大差を付けての勝利という結果になった。

柏のフォーメーションは4-1-4-1という形で、攻撃に移ると両SHのクリスティアーノと武富が高い位置に上がった4-3-3という形になるのが特徴だが、湘南は前半から激しいプレスをかけて柏の3トップに対するボールを完全に封じ込めてしまった。

湘南は柏のDFがボールを持つと3トップが高い位置から追い回してパスを出す余裕を与えず、3バックはまずラインを作って積極的に押し上げ、柏の3トップをオフサイドラインで牽制しつつ、ボールが来たら素早くマークに付いてパスワークを遮断する。そしてボールを奪ったら一気にロングボールを入れて柏のディフェンスラインを押し下げ、そしてまたラインを上げてセカンドボールを拾い、サイドを中心に基点を作ったら、両WBが必ず攻撃参加してシンプルにクロスを上げるという形が徹底されていた。

当然、柏もその湘南のやり方は承知していたのだろうが、26分の先制点の場面では、それまでならもっと深い位置まで上がってからクロスを上げていた古林が、ハーフラインを超えたあたりで意表を付いたアーリークロスを上げると、前線に走っていた大槻にはまだマークがしっかり付いておらず、GK桐畑が慌てて飛び出すもののボールには触れず、大槻のヘディングが決まってしまった。

そして後半8分にも、湘南の激しいプレスに遭った鈴木がGKに浮き玉のバックパスを送ると、バウンドしたボールが桐畑の頭を超えて通過、桐畑は間接FKが頭をよぎったのか手で触るのをためらい、結局ボールはゴールマウスの中へ。そして26分にはCKから日本代表に選ばれた遠藤航がヘディングで叩き込んで3点目。柏は茨田やエデルソンを投入するものの流れは大きく変えられず試合終了。

柏は、クリスティアーノが攻撃で1人気を吐いていたぐらいで前線は湘南のプレスに対して完全に沈黙、中盤も守備もミスが多くてスプリント回数も湘南の2/3と、まさしく点差通りの完敗であった。そんな中、新加入のエデルソンがお披露目になったが、足元がなかなか柔らかくて今の工藤よりは1トップとして物になるような感じはしたかな。

そして湘南は持ち前のハイプレスだけではなくて、この試合では展開によっては前から行かずに全体が引いてしっかり守りを固める場合の使い分けがスムーズに出来るようになって来た印象。相手に先制されると厳しいサッカースタイルである事は変わりないが、これなら真夏から秋に向けて急激に疲労でチームのコンディションが落ちるという事は無いだろう。これで点取り屋の外人がいればとも思うが、湘南はFWも守備に走り回らないといけないチームなので、単に連れて来れば良いというものでないところがもどかしい点ではあるが。

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