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NHKクローズアップ現代「FIFA 腐敗の深層」から見る、日本の果たすべき役割

昨日はツール・ド・フランスが中休みのような平穏ステージだったので、ゴール前のシーンまで録画しておいたクローズアップ現代を見ておりました。

内容はタイトル通り、FIFAの腐敗構造についてのもので、先日アメリカの司法当局に起訴されたジャック・ワーナー氏をめぐる汚職関係に焦点を当てられています。

番組によると、FIFA理事による汚職の構造は次の3点に集約されています。

独占放映権や開催国については、理事の決定権に対する直接的な賄賂ですが、会長選挙については候補の誰かに付く事で権力の分配を受けようとする理事間での賄賂のやりとりという形になりますね。

改めて見るまでも無く、FIFAが管掌しているほぼ全ての権限に金が絡んでいると言うか、動く金の多少によって全てが決まっている構造で、さぞかし世界に法治が進む以前の商習慣はこんな感じだったのだろうなという気がします(苦笑)。

FIFAが本気で正常化をするのならば、まさに株式会社のような透明化、完全な第三者による監査機関を設けること、理事を増やして報酬や権限の希薄化を行うこと、理事の定年や再選回数の限定を設ける事、FIFAが握っている決定プロセスをオープンにする事といった施策が求められるわけで、今後どこまでそれが進むかでFIFAの本気度が試される事になるでしょう。

番組の後半には、今回理事に当選した田嶋幸三氏が登場していて、「日本こそが正常化に貢献できる国だと思っているし、もっともっと入り込んでいかなければならない」と他人ごとのように語っておられましたが、日本も魑魅魍魎が蠢く中世の魔窟のようなFIFAで政治をするには必ずしも綺麗事だけでは無かったでしょうからね。

AFCが疑惑後の理事選でブラッター氏支持に回った言い訳も語ってますが、結局はアジア市場を重視するブラッター氏の、アジアに対する環境整備や出場枠数の堅持という方針、利権に対してぶら下がらざるを得ない苦しい立場であった事は確かです。

まあ、新国立競技場を巡る問題を見ても分かる通り、どんな世界でも政治というのは本音と建前の世界で、結局は上手くやったもの勝ちではあるので、「正常化に貢献」するために、今の機会を捉えてガッチリと賛同する国をまとめて発言権を高める政治力を田嶋氏には期待したいですな。まあ、本当はバスケ方面にいるあの方を送り込むのが最適なんでしょうが(笑)。

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