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「そんなにボロカスにやられていたわけでは無かった、なでしこジャパン」女子ワールドカップ2015 日本-イングランド

昨日の準決勝イングランド戦を行っていた時間に、リアルタイムでネットでの試合状況を聞いていると、日本は相当イングランドに押し込まれて何も出来なかったような印象を持っていたんだけど、実際に試合を見てみたら意外とちゃんとした試合になっていたなと思った。

特に前半は、ボランチやFWがイングランドのゾーンの間でこまめに動いてパスを呼びこむ動きと、DFからのパス出しのタイミングがきっちり合っていて、相手のプレスを上手くかいくぐってポゼッションを保つサッカーが出来ていた。その空気が変わったのが、イングランドがダイブで帳尻PKをもらった前後の時間帯からだった。

失点してからパワープレイに突然目覚めたイングランドは、それ以降は身長のミスマッチが起こっている鮫島とジル・スコットのところにロングボールを集め始め、そのカバーに宮間が下がってしまう事でサイドでの基点が失われ、大儀見は実直にポストプレイをする動きを続けているんだけど、帳尻合わせのPK以降、この試合の審判は逆にボディコンタクトによるファールを取らなくなってしまい、大儀見は体ごと潰されて溜めが作れない。

そして前半は全員が忠実にトライアングルを作る動きをしていた選手たちも、中3日の疲労もあってか押し込まれたポジションからの動き出しが鈍くなり、余計に大儀見のポストに頼らざるを得なくなってどんどん悪循環に嵌って行ってしまった。

ただ、イングランドのほうも後半30分を過ぎるとガタッと動きが落ち始め、足をつる選手が続出したのを見て、もしあのオウンゴールが決まらなくても延長まで入り込めば交代枠を残している日本が有利になったのではないかと思った。その意味では、先に交代枠を使って勝負を決めに来たサンプソン監督と、延長を睨んで澤投入のタイミングを図っていたノリオ監督との経験の差が出たと言えるのかもしれない。

イングランドをさらにバージョンアップしたアメリカが決勝の相手とあって悲観的な見方が強いけれども、日本のコンディションが良くて前半のサッカーを続けることが出来、そして審判がもっとまともであればそこそこ良い試合が出来るのではないかと思う。宮間と大儀見は外せないとしても、川澄、大野、阪口といったベテランのコンディションを監督がどう判断するか、そこが決勝のポイントになりそうだ。

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