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「南米じゃ審判の偏向判定すら芸術的マリーシア」コパ・アメリカ2015 準決勝 チリ-ペルー

試合開始から両チームがっぷり四つの、南米らしい激しい局地戦が展開されてエキサイティングな試合になるかと思ったところで、ペルーCBサンブラーノが一発レッドで退場してしまい、それ以降は10人になったペルーがシンガポールのように守り倒す一方的な内容になってしまった。

それにしても、サンブラーノがボールを蹴り出すために振り上げた足がチリのアランギスの背中に当たったレッドカードの場面は、どう見ても故意でやったようには思えずせいぜいイエローが妥当で、既にサンブラーノが1枚イエローカードをもらっていた事を考えれば注意で済ますべき判定だったように思うのだが、退場になったサンブラーノは激しく抗議するでもなく淡々とピッチを後にしたのが非常に不思議だった。

そして前半42分に挙げたチリの先制点も、正確なサイドチェンジからクロスを引き出すダイアゴナルな動きのコンビネーションは、シンガポール戦の日本に見せたいぐらいに固い守備を崩すお手本の攻撃だったが、それでもこのシーンは最後に詰めたバルガスがクロスを上げる時にラインの前にいたので明らかにオフサイド。ここまで開催国に有利な判定が続いたのではペルーは厳しい。

まあ偏向判定はアジアの試合、特にACLでは日常茶飯事で日本も慣れっこではあるのだが、南米審判の上手いところは85分間はほとんど間違いのないジャッジをしておいて、本当にクリティカルなポイントに絞って繰り出して来るところ。だから、ひょっとするとたまたまのミスかなとつい思ってしまう(笑)。サッカーもそうだが、審判もマリーシアのレベルがアジアとは段違いで感心させられるね。

だがペルーもその不公平に負けず、10人になってからはSHがDFラインにまで下がる6バックになりながらもゴール前では相手を決してフリーにさせず集中力を切らさず守り倒し、後半15分には乾坤一擲のカウンターで相手のオウンゴールを誘う見事なクロスからの飛び込みで追いついたのだから立派だった。こういう土俵際での粘りは日本には到底真似が出来ない芸当である。

さてもう1つの準決勝では、アルゼンチンがパラグアイに6-1で大勝し、決勝戦のカードはチリ対アルゼンチンになった。正直なところアルゼンチン有利である事は間違いないが、チリはホームの声援をバックに出来るし、この試合でも途中からアンカーにビダルが入って鋭いサイドチェンジを飛ばしてチリの逆転勝利のキーマンと言える働きを見せていたので、メッシがフリーマンとなるせいで前線の守備力に欠けるアルゼンチンの隙を突いてカウンターの基点になれば勝機が出て来るかもしれない。

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