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「今期の両チームを象徴するザル自慢大会」J1第17節 鹿島アントラーズ-川崎フロンターレ

ともに優勝を狙いながらも1stステージでは5位と8位という不本意な成績に終わった川崎と鹿島。その原因は明らかにワースト4、6にランクされてしまった失点数の多さ。最終節の直接対決は、それを象徴するかのようなザル守備のアピール合戦という様相を呈してしまった。

まず前半は鹿島の出番。一応守備時は4-4-2のゾーンを形成してはいるのだが、DFラインの押し上げが無くて中盤がボールホルダーへ中途半端に食いついてしまうためにバイタルがガラガラ。そこに入り込む川崎の3トップに対するDFラインのアタックも無く、バイタルには何のプレッシャーもかかっていない。

前半8分の川崎の先制点も、レナト、小宮山とつなぐ攻撃に全くプレッシャーがかからず、山村がもっさりとマークでスライドしたスペースに入り込んだエウシーニョに小笠原のマークが遅れ、中央に戻った昌子も軽く交わされてのゴール。全て鹿島選手の守備への動きが遅くて後手に回った結果の失点だった。

鹿島は守備から攻撃への切り替えも遅く、アジリティを感じさせる選手は唯一金崎のみで、1トップの赤崎とトップ下の土肥は軽~く川崎の守備陣に跳ね飛ばされて全く前線で基点になれない。そして34分に谷口との絡みで中へ切れ込んだレナトがミドルシュート。この場面でも、マークを振り切られた昌子はその場で止まってしまい、ボサッと立っていた山村は形だけ寄せるアリバイ守備で何の障害もなくシュートを打たれてしまった。

前半の終わり頃からようやく鹿島は対策を施したようで、川崎の3トップにはゾーンではなくて早めにマンマークを付けるようになり、これで何とか守備は安定し始めて前半終了間際に金崎のゴラッソで鹿島が盛り返すかと思ったのだが、後半開始早々にカウンターから昌子と山村の軽い寄せを難なく突破されて3点目。それにしても、山村はしょうがないとしても昌子源まで集中力に欠けるプレイを連発してしまうとは意外である。

ところが後半は完全に川崎の(ザル)ターン。鹿島は小笠原をアンカーの位置に下げてサイドチェンジを連発すると、川崎はそれに対して3トップが全く対応できず、3バックの横のスペースにどんどんボールを送り込まれて基点を作られ、そこからバイタルを経由してまたサイドという崩しで川崎を完全に圧倒、前半は消えていたカイオが躍動してチャンスを量産するものの、鹿島は山ほどあった決定機に決められず、結局は後半14分に揚げた青木のクロスをアウトで合わせた赤崎の得点のみで試合終了。

鹿島は若手が育っていると言われているが、試合の核になるような存在にまで育っていないのが問題だろう。小笠原が未だに先発して攻撃のタクトを振るわざるをえないようでは厳しい。金崎以外に、攻撃の基点、インテンシティを強める前線も足りない。川崎はまあ確信犯なのでどうしようもないが、このスタイルで行く限り守備陣が90分間持ちこたえるのは奇跡に近い。全盛期のマケレレでも取って来ないと優勝は厳しいだろうなと(苦笑)。

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