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「真価が分かるのはこれからだけど、やはり森山監督は一味違う」インターナショナルドリームカップ2015 日本-コスタリカ

コパ・アメリカと女子W杯が決勝トーナメントに入って佳境を迎えているが、昨日はふと気分を変えたくなって、BSスカパーで中継していたU-16日本代表がコスタリカとチリ、フランスのU-16代表と日本で戦う「インターナショナルドリームカップ」の試合を見てみた。

日本は初戦のコスタリカ戦を7-0で圧勝するという幸先の良いスタートを切ったわけだが、日本選手全員が1999年生まれなのに対し、コスタリカ代表はほとんどが2000年生まれの実質U-15であり、しかも前半を1-0で折り返した後半2分に、日本が戻りオフサイドに見えて線審も旗を上げたのに主審が認めず、2点目が決まってしまった事でコスタリカの気持ちが切れてしまい、後半の6点についてはあまり力量差を反映していないのは事実である。

しかしそれを差し引いても、かつてサンフレッチェ広島ユースで辣腕を振るっていた森山監督が率いているU-16日本代表は、確実に良いチームになっている事は断言できる。

日本のフォーメーションは4-4-2。守備はコンパクトなゾーンを作って積極的に押し上げるが、ゾーン・ディフェンスと言うよりはマンマーク寄りで、相手を早めのタイミングで捕まえて1対1で守る事を狙う南米式である。そしてこれが、守備陣は単にパスコースを切るだけで寄せもせず、ドリブルに対してただズルズルと下がって守ってるポーズをするだけだった日本ユースとは思えないほど、年下とはいえコスタリカの攻撃陣をほぼ押さえ込んでいた。

時々、プレスに行くタイミングが遅くて相手のドリブルに対して後追いディフェンスになっていた事はあったが、ボールを奪った後は落ち着いてワンタッチ、ツータッチでパスを回す技術は明らかにコスタリカよりも上で、ポゼッションを効果的に使って試合を落ち着かせ、日本は完全に主導権を握っていた。

メンバーの中で目についたのは、5番の磐田所属の伊藤君。和製ヴィエラと呼びたいぐらいに大型選手でありながら動きがしなやかで、左足から正確なサイドチェンジをバンバン飛ばしていた。フル代表がボランチもCBも右利きが多いために、シンガポール戦でほとんど宇佐美の左サイドにボールを出せなかった事を考えると、今すぐにでも招集して欲しいぐらいの能力だった(笑)。

ただ難点としては、スルーパスやクロスを出す回数が多かった割に受け手と合う事が少なかった点。止まってる味方に出すボールだけじゃなく、受け手の動きを予測した上での正確性が無いと、今までと同じようにパスを回すだけが得意なチームで終わってしまうので、その部分の成長をこれから対戦するチリとフランス相手の試合で期待したい。

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