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「佐々木監督はわざと目眩ましをしているのかもしれない疑惑」女子ワールドカップ2015 ベスト16 日本-オランダ

女子ワールドカップ決勝トーナメント初戦のオランダ戦については、昨日の午前から試合が始まったので当然ながらリアルタイムでは映像を見られず、ネットで情報を追いかけるだけだったのだが、先発メンバーを見た時にやっと本来あるべき形になったなとまず思った。

このワールドカップを迎えるにあたり、個人的にはボランチに宇津木を起用すべきだとアルガルベカップの時に思っていたのに、蓋を開けてみれば1次リーグはまさかのSB起用、しかも一番悪い起用法だと思っている宮間のボランチに相変わらず未練を残している佐々木監督の采配に心底ガックリしていた。

もう1つ、2トップじゃなくて4-2-3-1の宮間トップ下という案を押していたのだが、宮間はSHでの起用とは言え、大野をトップ下的な役割にした事で効果的にバイタルが使えるようになり、それが日本にとってサイド攻撃を有効に使える要因になったのではないかと思っている。そして鮫島、有吉のSBは積極的な上がりでSHを素早くフォローし、その動きが日本の先制点に繋がったと言える。

試合での展望にも書いたとおり、オランダはDFがゾーンを作るがマーキングに入る動きが弱く、サイドからのクロスに対してボールウォッチャーになりやすいので、この先制点はまさに日本のスカウティングの勝利であり、1次リーグの佐々木監督はあえて敵に的を絞らせない目眩ましな選手起用をしていたのではないかとつい智将扱いをしてしまいそうになる(笑)。まあ、その評価は次のオーストラリア戦まで取っておこう。

ただ、それだけ前半は日本が圧倒していながら1点しか取れなかったのは反省点。オランダのDFとボランチの寄せが甘いので、PA内で日本の選手が比較的フリーでボールを持てたのだが、せっかく周りに選手がいて崩せそうな場面でも性急にシュートを売ってしまって枠を外すという場面が多かった。積極的な姿勢は良いが、それと単なるイケイケとは違う。

前半も後半戦になるとオランダも守備を改善してきて、ボランチとDFが日本選手を追ってプレッシャーをかけるようになり、後半からはオランダの攻撃もドリブルで強引に行く場面が増えて日本は後退を余儀なくされ、あわや鮫島のオウンゴールになりそうな危ないシーンもあったのだが、それだけに阪口のゴラッソは大きかった。

最後は何で最初からこれをやらないと言いたくなるようなオランダのパワープレイに苦しみ、何故かシュートを胸で受けようとして後逸、ゴールになってしまった海堀のボーンヘッドもあって慌てる時間帯が続いたが何とか逃げ切り。勝ったとはいえ、男子同様に決めるべき時に決めていればもっと楽になっていた試合ではあった。

さて次はブラジルを破って波に乗っているオーストラリアとの準々決勝。相手は中5日なのに対して日本は中3日とスケジュール面で不利があり、あまり日本とはプレイの相性が良くない相手ではあるが、そういう時にこそ”智将”佐々木監督のどんなマジックが出るのか、楽しみにしておこう。

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