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「なでしこの不甲斐なさよりもエクアドルの健闘を褒めるべき試合」女子ワールドカップ2015 グループC 日本-エクアドル

ここまでスイスに10失点、カメルーンに6失点ととんでもない大敗をしているエクアドルに対して、日本はかろうじて1-0の辛勝をしたと聞いて、あのシンガポール戦の翌日だっただけにガッカリしていたのだが、試合を見てみるとどうしてこのチームが今まで16点も失点していたのか不思議なぐらいにエクアドルは好チームだった。

試合は開始わずか5分で、左SH宮間のアーリークロスを菅沢が競りながら後ろへ流し、大儀見が相手よりも先に触ってゴールという、シンガポール戦の日本に見せてやりたいような引いた相手を崩す形というのを見せつける。

そして今まではトラップやパスでボールが引っかかる事が多かった人工芝にも慣れて来たのか、パスワークがスムーズになってボールがストレス無く回るようになって、前半で勝負を決めるべく日本は畳み掛けたのだが、そこで2~3回あった決定的なチャンスに得点できなかった事が、この最小得点差に繋がってしまった。

序盤はバタバタしていたエクアドルは、前半の途中からシンガポールのように組織だって集中力の高い守備を見せ始める。フォーメーション的には4-4-2だが、FWの1人は中盤に入って4-5-1のような形になり、コンパクトなゾーンを作って日本をなかなかバイタルエリアの中に入らせない。

それでも日本は男子のように中央を渋滞させて攻めあぐねるという愚は犯さず、攻撃時にはしっかりワイドにポジションを取り、SBのオーバーラップでマーカーを引き剥がして攻める形と、中央でもFWの1人が中盤に降りて来て、それで出来たスペースを澤が攻め上がってボールを引き出すという定石を、迷いなくしっかり遂行していた。が、ポゼッションは70%を記録するものの粘り強いエクアドルを崩せず後半へ。

後半から日本は上尾野辺がSBに入り、佐々木監督は相変わらず懲りずに宮間をボランチにしてフォーメーションをいじってきたのだが、前半に何度も前線に飛び出していた澤にも疲れが見えてきてやっぱり中盤の支配力が落ち、試合はエクアドルの方にペースが移ってしまうが、エクアドルも最後の詰めが甘くて決定機を作り出すには至らず、終盤は再度日本が盛り返すもののスコアは動かず試合終了。

日本は後半35分に怪我から復帰した岩渕を投入、キレの有るドリブルでシュートはGK正面を突いたが彼女らしい小気味良いドリブルが見られ、これは日本にとって決勝トーナメントを戦う上で数少ない明るい材料になった。

グループCは、裏の試合でカメルーンがスイスに勝利したため、1位日本、2位カメルーンがグループリーグを突破、スイスにとってはまさかの3位だったがレギュレーションにより何とか生き残り。そして今日の結果から日本がベスト16で対戦する相手はオランダに決まり、そこに勝てばおそらくブラジルが準々決勝の相手となる。が、とにかく先の事は考えず目の前のオランダ戦に集中してもらいたいね。

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