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「日本のシュートレンジの狭さは、単に足だけの話ではない」コパ・アメリカ2015 グループA チリ-メキシコ

スコアレスドローに終わってしまったシンガポール戦の口直しとして見始めた試合だったが、こちらのほうは互いに3点を入れ合うという派手な形のドローに終わった。

シンガポール戦の後でじっくり試合を見る気力が無くて、いちいち戦術や試合展開をチェックして無かったのだが、最終盤になると開催国のチリが大観衆の声に押されて圧倒的にメキシコを攻め立てるものの、雨あられと打たれるシュートがことごとく枠を外したりセーブにあったりと、どこの国も得点を焦り始めると同じようなパターンに陥るのだなと情けなくも安心させられた(苦笑)。

試合は点差ほどにはオープンな展開ではなく、アウェイのメキシコがシンガポールほどラインは低くなくて場合によっては積極的にプレスはかけていたものの、実質5バックの3バックでゾーンとマンマークを流動的に使い分ける守備でしっかりチリの攻撃を受け止めるサッカーが出来ていた。

それでも合計で6点が入ったのはセットプレイのおかげ。特に前半に入った4点のうち、3点はゴールから逃げる軌道のクロスやCKを、ゴールから5m以上離れた位置からヘディングしたボールが入ったもので、それをきっちりコースに決めるヘディング技術の高さ、そして走り込まなくても首の力だけで速度のあるボールを飛ばせる筋力には驚くしかない。

これが日本人選手だったが、その位置でゴールから遠ざかるクロスを立ったままヘディングしても、せいぜいボテボテとゴール前に転がるかぽよ~んと浮いてGKにキャッチされるのがオチで、極めて可能性が低い。日本人はシュートレンジが狭いと言われているが、それは決してキック力だけの話では無いのだ。

日本が一般的にやるゴールに向かうCKは、ヘディングからゴールまでの距離は短くなるがGKにキャッチされやすく、昨日の試合のように真正面からヘディングすると意外とGKの体に当たりやすい。相手もそれを警戒してくるだろうし、逆軌道のCKも有効に使える手段を手に入れることが出来れば、得点力不足も少しは解消できるのではないかと思うのだが・・・

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