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「ネイマール依存症はさらに深刻なレベルに到達」コパ・アメリカ2015 グループC ブラジル-ペルー

パラグアイに引き分けたアルゼンチン、ベネズエラに負けたコロンビアと、ブラジルW杯でベスト8に進出したチームが軒並み苦しんでいるコパ・アメリカ。最後に登場したブラジルはペルーに勝利はしたものの、かろうじて後半ロスタイムに勝ち越しゴールという薄氷の内容であった。

いきなり試合開始わずか3分で、ダヴィド・ルイスが中途半端なバックパスをGKをジェフェルソンに送ってしまい、ジェフェルソンもパスを無理につなごうとしてゴール前にいたペルーのクエヴァに渡してしまい、そのままあっさり決められて失点という、さぞかしドゥンガが激怒したであろうトホホなスタート。

一方ペルーのほうも出来はピリッとせず、おそらくアルゼンチン人のガレカ監督はゾーン・ディフェンスを採用しているのだろうが、前半はセンターで2人が同時に寄せてしまって抜かれたり、バイタルにボールが入ってもDFがチェックに行かなかったりと、ゾーンとマークの関係性があやふやでPA付近でブラジルが簡単にボールを回せるような状態になっていた。

ペルーが先制した2分後にブラジルが同点に追いついた場面も、ボランチの位置でボールをさばいたネイマールが長い距離を走ってヘディングを決めたのだが、ペルーの選手はゾーンの形に並んでいるだけで誰一人ネイマールの侵入に気付かず、最後まで完全なフリー状態でゴール前に飛び込まれてしまった。

しかしブラジルはボールを支配しても攻めが単調で、何故かドゥンガが寵愛しているジエゴ・タルデリはボールを持たずにスペースメイキングに終始、ウイングのウィリアンとフレッジ別人は守備はするけど攻めはほぼカットインだけ、上げるクロスはダニ・アウヴェスと判で押したようなワンパターンで、攻撃のアイデアはネイマールだけしか出せない有様。それでも守備の緩いペルー相手にチャンスは作るのだが、ネイマール以外の選手がアジアレベルのシュートミスばかりで追加点が入らない。

後半になるとペルーのゾーン・ディフェンスが機能し始め、ファルファン、クエバといったキープ力のある前線の選手がブラジル陣内までしっかりとボールを運ぶようになって試合は拮抗する。が、そこは千両役者のネイマールで、後半ロスタイム2分に、左サイドからペルーのDF全員の足元を横切る凄まじいスルーパスをドウグラス・コスタに通し、落ち着いてニアサイドに決勝点を決めて試合終了。

チェルシーのオスカルが怪我で不出場とはいえ、ブラジルW杯に引き続いてネイマール以外のタレント不足は本当に深刻。最初に大ポカはあったが守備をサボるメンバーがいないのでそれなりにコパ・アメリカも勝ち進むだろうが、この試合で早速1枚目をもらってしまったネイマールが出場停止になってしまった時が大ピンチになる事は間違いない。2試合目にわざとカードをもらって、決勝トーナメント進出が決まった3試合目で休むという手段に出るかどうかが興味深い。

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