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「自分たちのサッカーを忘れる事が出来るのか」ロシアW杯アジア二次予選 シンガポール戦展望

いよいよ今日から始まるロシアW杯への道。アジア二次予選に臨む日本の初戦は、第1節でカンボジアを4-0と破って波に乗っているシンガポール。

シンガポールと言えば、ジーコジャパン時代のアジア一次予選で2-1と最小得点差、それも後半37分に藤田の勝ち越し点が決まるという大苦戦をした相手であり、日本のいつもの癖である試合への入りの悪さを考えると決して楽観できる試合ではありません。

イラクは日本に対して無謀にも前から行ってしまったために、前半に失点を重ねる結果になってしまいましたが、シンガポールはまず自陣で守備を固めて来るでしょうし、監督がドイツ人なのでコンパクトなゾーンを組んで日本が誇る中盤をパックして孤立させようとするでしょう。

引いた相手を崩す手段としては、まず前線が背丈で勝てればロングボールやサイドからのクロス、こぼれ玉をミドルという手段が有効ですが、代表に高身長の選手がいない上に、太田以外はとりあえず中にエイヤで適当なクロスを上げる選手ばかりなので、ギリシャ戦を例に挙げるまでもなく可能性を感じません。そしてミドルシュートも、ある程度期待できそうなのはサイドの宇佐美と本田くらいで、最も機会が多いセンターに打てる人材がいません。

そうなると、やはり日本が取りうる手段はゲーゲンプレッシングという事になります。高い位置からプレッシャーをかけてボールを奪い、相手のゾーンが戻りきらない内に攻め切るサッカー。そのために重要なのはまず守備に切り替わった時のポジションバランスです。

ザックジャパンのように前線がクルクルとポジションチェンジをすると、その空いたスペースを後ろの選手がカバーしないといけないし、プレスのスタートポジションがバラバラになって守備の統一感、連動性が無くなってしまいます。ゲーゲンプレッシングでは攻撃時であっても、ターンオーバーした時に間髪入れずマークに入れるバランスを常に考えておく必要があるのです。

イラク戦では、宇佐美と本田が香川のトップ下に寄って攻撃が渋滞した時間が多かったですが、それではシンガポールを簡単には崩せないでしょう。自分たちがやりやすい間合いやポジション、ワンツーといった手数をかけたショートパスで崩し切る誘惑、つまり「自分たちのサッカー症候群」からどこまで脱却出来るかという点に注目して、試合を見てみたいと思います。

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