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「いつも通りに自作自演の苦戦」女子ワールドカップ2015 グループC 日本-カメルーン

第一戦のスイス戦で勝利を飾り、2試合目のカメルーンに勝てば決勝トーナメント進出が決まるなでしこジャパン。

スタメンを前回から5人変えてきて、しかも個人的にずっと反対している4-4-2のボランチが宮間という策を取って来たのを見て嫌な予感がしたのだが、それに反して日本は絶好のスタートを切った。

前半6分に右サイドのコンビネーションから突破し、川澄のグラウンダーのクロスを大儀見がスルー、ファーサイドでフリーだった鮫島が押し込んで先制すると、17分にはショートコーナーからのクロスをカメルーンGKがかぶってしまい、ファーに飛び込んだ菅澤が頭で決めて日本が電光石火の攻撃で2点を奪う。

しかしこの2点で日本は安心してしまったのか、それまでボールホルダーの周りの選手がしっかり動いてトライアングルを作っていた動きが影を潜め、ボールの出しどころが無くて無駄なキープやショートパスをカメルーンの長い足で掻っ攫われ、カメルーンのエース、エンガナムットのスピードに乗った突破で何度もDFラインを破られてピンチを作る。

後半になって、佐々木監督は今更ながらに宇津木をボランチ、鮫島をSB、そして宮間をSHにポジションチェンジさせると、宇津木のシンプルな展開と宮間のサイドでの基点でようやく試合が落ち着き、日本が中盤でパスを回せるようになる。が、この試合は大儀見がブレーキ気味で、日本の押し上げが弱いというのもあるんだけど、いつものポストプレイに正確性を欠いてロストを連発して日本はシュートまで持ち込めない。

日本は後半19分に澤を投入すると、澤はさすがの危機察知能力で中盤のカバーに奮闘するが、同じく交代で入った大野ともども攻撃面では非常にミスが多く、せっかく中盤でボールを奪ってもすぐ自分たちのミスで失うマッチポンプ状態は変わらず。

それでも何とかカメルーンの決定力不足に助けられて失点は免れていたのだが、後半45分にエンガナムットに対するマークが甘くなり、反転してからのパスがサイドを駆け上がっていたエンシュに通り、ニアを撃ちぬかれて1点差。その後も危ないシーンを作られるものの何とかそのまま1点差を守り切り、日本は苦しみながらも決勝トーナメント進出を決めた。

この試合途中でのポジションローテーションを見ても、佐々木監督はメンバーやポジションをコロコロ変えたがる人なんだけど、ボールが止まりやすい人工芝も影響しているのだろうけど、どうも監督の気まぐれ采配が日本のミスの多さに繋がっているように思えてならない。

運動量に頼りがちな日本のサッカースタイルを考えると連戦は厳しいのかもしれないが、ブラジルW杯上位のドイツやオアルゼンチン、オランダを見ても、怪我や出場停止の選手以外はかなりメンバーを固定している。それだけ短期決戦においては阿吽の呼吸が重要という証でもあるのだ。

おそらく次のエクアドル戦ではメンバーを総とっかえして来る事は間違いないだろうが、決勝トーナメントでは日本の勝負型というものをしっかり作り上げてから臨んでもらいたいものだ。

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