サイトアイコン 旧閑ガゼッタ

「きっちりゾーン・ディフェンス対策を遂行できる名波監督は、デB・・・いや名将への道を歩み始めている?」J2第17節 ジュビロ磐田-ツエーゲン金沢

J3からの昇格組であるにも関わらず、現在13試合負けなしと開幕からJ2で大旋風を巻き起こしている2位金沢と、1年でJ1への返り咲きを狙う3位ジュビロの直接対決は、点差こそ2-1の最小失点だったが、内容的には19対4というシュート数が表す通り、ジュビロが圧倒していた試合だった。

J2の得点数トップのチームと最小失点のチームという最強の矛と盾同士の対決でここまでスタッツに差が出たのは、金沢が誇る完成度の高いゾーン・ディフェンスに対するジュビロの対策が上手く嵌ったからでもある。

ゾーン・ディフェンスは、前後左右に圧縮した2ラインのゾーンをボールの位置によって細かく上下左右させる事によって機能するシステムであり、それを打ち破るには機能性の逆、つまりコンパクトにさせない事と、上下左右を相手のペースでやらせない事が重要になって来る。ザックジャパンがセルビアに対して何も出来なかったように、ちんたらショートパスサッカーは絶対にやってはならないのである。

ジュビロは、金沢の2トップがCBまでプレッシャーをかけて来ない事を見越して、DFラインにまで下がって来るボランチの1枚とパス交換をしながら左右にボールを揺さぶり、高く上がったSBにボールを預け、そこから1トップのジェイやウイングの選手に素早くボールを送り、そこで無駄な溜めを作らずスピードに乗ったまま一気に攻め切っていた。

ロングボールやサイドチェンジを駆使して前線の高い位置で基点を作ってDFラインを下げさせ、そこから素早くサイドに展開してゾーンを左右に広げ、間髪入れずクロスを送り込む事で金沢に中央の守備で数的優位を作らせない。そうなると、アダイウトンやジェイといった個人能力の高い選手が活きて来る。

そして守備でも、攻撃がワイドにバランスよく攻めているのでポジションに偏りが無く、守備に転じた時にボールに対して最短距離でアプローチが出来ている。そして松井を筆頭として前線の選手もプレスバックを怠らない。ゲーゲンプレッシングというほど激しくはないが、前線で競り合った落としを中盤で拾おうとする金沢の攻撃に上手く嵌ってボールを奪いまくっていた。

普段からジュビロを見ているわけじゃないので断言は出来ないが、この試合を見る限りでは攻撃の組み立てが中盤のパスワークよりもジェイのポストプレイに頼りがちなところを見ても、レヴァンドフスキがいて香川がいない時代のドルトムントのようなサッカーをやっている感じである。

ただ、この試合でも山のようにチャンスを作りながら得点はマグレっぽい櫻内のゴールとPKのみだったように、決定力不足は深刻である。ジェイとアダイウトン以外に得点を計算できる選手がおらず、アダイウトンは5試合得点無しという状況が、今の3位という順位を表している。速い攻撃を心がけるのは良いが、最後の場面ではバルサのように落ち着いて相手を見ながら崩しきるという姿勢が必要ではないだろうか。

あと名波さん太ったよね・・・ワイシャツがどう見てもパツパツだったし(笑)。くれぐれも城さんのようにならないように節制して欲しいなあ。

モバイルバージョンを終了