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「澤の後にはぺんぺん草ひとつ生えない可能性」なでしこジャパン・2015年女子ワールドカップ展望

昨日は飲むイベントがあって帰ってきたらシャワーも浴びずにそのまま爆睡してしまい、起きたらチャンピオンズリーグ決勝が終わっておりました・・・

なのでその戦評は明日で勘弁していただくとして、今日から開幕する女子ワールドカップのなでしこジャパンの展望を書いてみます。

今回はもちろんディフェンディング・チャンピオンとして臨むわけですが、正直言って現在の日本はドイツ、アメリカ、フランスからは一歩離されたセカンドグループに位置していると見るべきで、現実的な目標はベスト4というところじゃないかと思っています。

その原因は、やはりなでしこジャパンが最後まで澤が抜けた後のサッカースタイルを確立できなかった点にあります。

佐々木監督はこの7年間の間、ほぼスクエア型の4-4-2フォーメーションを使い続けており、今回もこの形で通すことが濃厚になっていますが、そもそも4-4-2は4-3-1-2や3バックに比べると中盤で数的不利になりやすく、非常にボランチにかかる負担が大きいフォーメーションです。

それがなでしこジャパンで通用した理由は、まさに澤の存在があったからこそで、ワールドカップでの得点シーンで攻撃的なイメージがある澤ですが、実は危険なシーンを逃さず中盤で潰す守備力こそが彼女の真骨頂であり、しかもチャンスとなればゴール前に飛び込みゴールを決めるという、男子だったら間違いなくプレミアリーグのCHとして通用する攻守の要だったわけです。

それぐらいの選手が抜けたわけですから、そりゃ4-4-2が機能しなくなるのは当然であり、佐々木監督は一時期ボランチに宮間選手を据えてチームをコントロールさせようとしたのですが、それはポール・スコールズの代わりに中村俊輔を入れるようなもので、そもそも無理があり過ぎました。

そして男子ではブラジルのような総テクニシャンなチームを除けば、4-4-2はどちらかと言うとフラットなゾーン・ディフェンスでカウンターが使う場合が多く、実際に日本がワールドカップを制した時は相手の攻撃を粘り強い守備でしのいでカウンターという戦い方で勝ち上がって来たわけです。

しかし当然、日本の戦い方は相手に研究され、今はなでしこジャパンが攻めさせられてフィジカル負けし、そこから相手のカウンターにやられるという形が逆に増えてきました。しかも抜群の危険察知能力を持った澤がいないのですから、相手にしてみれば赤子の手をひねるようなものです。

個人的には澤抜きで4-2-3-1などの戦い方を模索するべきだったと思いますが、もう今さら言っても詮無いことです。にっちもさっちも行かなくなった佐々木監督はとうとう澤を代表に呼んでしまいました。これで今回もまた、澤の出来が大会の成績を左右する事になったのは確実で、ポスト澤時代のなでしこ再構築は次世代に丸投げされました。とにかく怪我や不調が彼女の身に降りかからないよう願うばかりです。

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