昨日の深夜に、まさにどんでん返しのようなビッグニュースが流れ、今朝のサッカー界は上へ下への大騒ぎになっておりますね。
FIFA汚職 ブラッター会長が辞意表明
世界中からの非難を浴びつつも強行したFIFA会長選で楽々と当選し、このまま何事も無かったかのように帝国に君臨し続けるのかと思われた矢先の辞任表明。
ニュースでは、UEFAやスポンサーからの圧力に屈したのではと書かれていたりしますが、おそらくFBIに汚職の証拠を握られた可能性が高いように思います。その上で、FBIとの司法取引で逮捕と引き換えに他疑惑の証拠提出、辞任という形になったのかもしれません。
今日の経緯を簡単に要約。 FBIの審査とFIFA役員に対する容疑の中、北中米の役員が南アW杯開催決定の際、$1千万の賄賂を受けたかという内容がある。 ブラッター会長とバルケ事務局長が関与を否定した。 だが、証拠はバルケ宛の手紙だった。 pic.twitter.com/HKc3OrsfBn
— Ben Mabley(ベン・メイブリー) (@BenMabley) 2015, 6月 2
UEFAも表面上は反ブラッター色を掲げて善人面をしておりますが、結局はW杯の出場枠や放映権料、スポンサーマネーを巡る利権を引き寄せたいという思惑であり、カタールゲートの疑惑があるプラティニ会長の例を見るまでもなく、体質的にはFIFAと似たり寄ったりでしょう。
結局、W杯の開催国を決める権限を少数のFIFA理事が握っていて、W杯開催で権力者の実績作りと経済効果のキックバックを狙う新興国、それらの国に商品を売りたいスポンサーとの癒着構造ができやすいという体質、そして大陸別の出場枠や放映権料の配分で会長選の票が左右されるシステムが一新されなければ、何度も理事の首をすげ替えて終わりという歴史は繰り返されるでしょう。
ただし、これだけ利権構造がガッチリ出来上がってしまっている以上、なかなか根本的な解決は難しいと思います。日本の協会もブラッター氏に投票したように、今更アジアの出場枠を削っても公正さを優先となるはずがありませんし。
とりあえず手っ取り早い手段として1つ考えられるのは、IOCのように投票に関わる委員の数を増やして、たとえ賄賂があったとしても効果を希薄化し、公開選挙によってW杯開催国を決定するやり方でしょうか。
とにかくどこまで不正が追求されるか、カタールW杯の開催がどうなるのかについては、FBIによる捜査の進展により、どんな証拠が出て来るかで変わってくるでしょう。ある意味、アメリカがFBIを動かした真の狙いは、2022年の開催国を取り戻す事にあるのではないかと思っていますし。当面は、その動向に注目するしかありません。