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「またも不思議なミランの勝利、FWの本田もこれで見納め?」イタリア・セリエA第38節 アタランタ-ミラン

順位としては残留圏内ギリギリの17位でありながら、既に36節でセリエA残留を確定していたアタランタ。ミランとともに、特に何かがかかった状態ではない緊張感に欠ける試合ではあったが、それにしても終盤におけるアタランタの崩壊ぶりは謎であった。

ミランは試合序盤こそ少し全体の押し上げが見られて一瞬おっと思ったのだが、すぐに毎度おなじみのDFラインがズルズル下がる悪癖が顔を出し、しかもデシーリオとボッケッティの両SBがお前いたのかと言うぐらいに攻守に存在感が無く、ミラン陣タッチライン際からあっさり危ないクロスを連発され、21分に右サイドからのクロスを左からオーバーラップして来たバセッリにフリーで叩きこまれてしまった。

この失点場面は、左のインサイドハーフによるオーバーラップなので、本来であれば本田が戻ってカバーしないといけない状況だったのだが、ミランの前線とDFラインがあまりに離れてしまっているため、その前に攻撃で前へ出ていた本田が戻れなかったのだ。こういう部分に、今のミランの問題が顕著に現れてしまっている。

普通なら、ここまでの試合内容を見ればどう考えてもアタランタが勝つだろうと誰もが思うはずなのだが、何故かアタランタはここからあっさりと逆転を許してしまう。36分にPA内でターンをしたパッツィーニを後ろから倒して同点に追いつかれると、2分後には左サイドからの浮き球に反応して飛び込んだ本田が潰れ、こぼれ球をパッツィーニがシュートすると、ポストに当たったボールがボナベントゥーラの前に転がって棚ボタゴールで逆転。

そこからはミランにとっての「勝利の方程式」で、リードしさえすれば守備意識の高い本田とエルシャーラウィの両ウイングがしっかりサイドのスペースを埋める4-1-4-1で自陣にコンパクトなゾーンを固め、ボールを奪ったら前に出ながらシンプルに大きくボールを繋ぎ、アタランタに反撃の緒を掴ませない。

ミランは後半15分にエル・シャーラウィに代わってポーリを投入、ボナヴェントゥーラをウイングに上げてさらに守備を固め、後半40分にはあまりに淡白なアタランタのゴール前での守備を突き、またもPA内でフリーになったボナヴェントゥーラが落ち着いてGKを抜く2点目を決めて勝負あり。最後は2人の若手を投入して逃げ切った。

本田については、ワンタッチのパスにはアイデアがあったものの、ボールを持ってからは判断が遅くて得点に繋がるアシストやシュートは出せず。デシーリオのサポートも無くてサイドで孤立し、いつもの様に中へ入ってもボールはなかなか呼び込めなかった。後半はパスの中継役として働きはしたが、正直ウイングの仕事じゃあないよね。

来期にミランはアンチェロッティを招聘するという噂がずっと流れているが、その場合はスポンサーも財布の紐をゆるめて大型補強を敢行するのではないかという噂が出ており、今期全体でのプレイぶりを考えると、本田がFWの選手としてスタメンを続けるのは結構厳しいのではないかと思っている。代表での起用に幅を持たせるためにも、レアルでのモドリッチやハメス・ロドリゲスのように、インサイドハーフやピボーテといった役割にもチャレンジするべきじゃないだろうか。

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