旧閑ガゼッタ

「2年前は水原三星にPK4回、しかし今回は柏にPK1回」 ACLベスト16第1レグ 水原三星-柏レイソル

グループリーグでは浦和に対して2勝を挙げている水原三星が相手のアウェイ戦とあって、審判の判定も含めてかなりの苦戦が予想された柏であったが、2年前の対戦ではPKを4回も取られてしまった柏が、逆にPKをもらって3-2で先勝という意外な結果になった。

試合の立ち上がりは最悪だった。日本勢の悪い癖である、試合にフワッと入ってしまう現象がここでも見られ、試合開始わずか2分で左サイドからのクロスに対して人数は揃っていたのに反応が遅れ、飛び込んだヨム・ギフンにボールを先に触られて失点してしまう。

ただ、それは水原にとってもある意味誤算だったのかもしれない。そこから水原は何故かいきなりプレスの勢いが落ちてしまい、前半12分にDFラインの裏へ飛び出した茨田にレアンドロが浮き球のパスを出し、それを茨田が流し込んで同点に追いついたのだが、この時の水原はDFラインに中盤が吸収されて6バックのようになっており、全く柏の中盤にプレッシャーがかかってなかった。

その後も水原はあまり高い位置からプレスをかけて来ず、柏はアンカーの茨田やCBが比較的フリーになる事が多く、そこから両サイドに展開して基点を作る攻撃が機能する。そして30分に、エドゥアルドのフィードからクリスティアーノが競って中へ折り返すと、胸トラップしようとした武富が後ろから倒されPK。アジアのアウェイではまず取られないフィジカルコンタクトだと思ったのだが、意外にもまともな判定で驚いた。韓国も経済が不振で資金力が落ちているのか(笑)。

後半になると当然、水原が攻勢に出て来る。前半のうちから相手のクロスに対するプレッシャーが柏は甘いと思っていたが、水原がサイド攻撃を強めてクロスの回数が増えだすととたんにピンチを招き始める。が、運良く柏はここで同点にはされず、逆に柏は後半10分に右サイドからパスをつないで最後はクリスティアーノがグラウンダーのクロス、これが走りこんだレアンドロにピタリと合って3点目。

しかしその2分後にチョン・テセがヘディングを決めて1点差に詰め寄ると、そこから柏はアップアップ。後半13分に投入したレオのドリブルにDFラインがズルズル下がってしまい、PA内でチョン・テセが何度もボールをキープして危ないシーンを作るのだが、何とか柏はゴール前に人の壁を作って跳ね返し続けてそのまま逃げ切った。

だいたい、日本勢がACLでやられるパターンは決まっていて、相手の激しいフィジカルとプレスに慌てて自陣での横パスやバックパスを拾われて失点、もしくはプレスを避けようと適当に前へ蹴り出し、前線が高さで負けてキープ出来ずセカンドボールを拾われてクロスから失点という2択になるのだが、柏はまず1対1のフィジカル対決を厭わない事と、自陣で無理にパスを繋がない、そしてサイドへのロングボールを活用している点が、他のJリーグチームとは異なるポイントだろう。

特にサイドへのロングボールは、だいたいアジア勢が日本に対してハイプレスをかけるとSBの裏が空く弱点を突くのと同時に、サイドならたとえミスになっても相手のシュートまでの時間が稼げる事と、サイドの高い位置で基点を作ると相手のDFラインもその分下がらざるを得ず、プレスの勢いを落とせるという二重のプラスが生まれるわけだ。

もちろん、それは試合中に思いついて対策するといった付け焼き刃的対応では難しいわけで、それをしっかり念頭に置いて練習からきっちり取り組んだ事がこの結果に繋がっているのだと思う。が、クロスに対する詰めの甘さは第2レグでも致命傷になりかねない点なので、そこの速やかな修正は必須だろう。