旧閑ガゼッタ

「香川にとって必要だった選手が誰かはっきりした」ドイツ・ブンデスリーガ第

DFBポカールの決勝を戦うヴォルフスブルクとの前哨戦と称された試合は、ドルトムントが前後半の序盤に失点をする苦しい展開となり、一時はオーバメヤンのPKで追い付きはしたものの、ドルトムントは後半になると失速してヴォルフスブルクのプレスに封じ込まれ、そのまま2-1で終了した。

クロップ監督退任発表後は好調を維持していたドルトムントだったが、この試合はヴォルフスブルクがカッチリとコンパクトなゾーンを引いていたのもあり、絶不調だった前半戦を思わせるような攻撃の機能不全ぶりであった。

その原因は、やはり前線に全く縦パスが入らない事。何度も何度も書いているがオーバメヤンはポストプレイよりも縦に抜ける事ばかりを考えてるし、香川はポストプレイが無いのでバイタルで後ろ向きにボールを受けようとするばかり、そしてギュンドアンはドリブルで抜いてフリーになってからでないと縦パスが出せず、もちろんCBからのビルドアップは皆無で、ショートパスをつないで何とかサイドまでボールを持って来るのが関の山という状態で、ひたすら狭いところでサッカーをやっていた。

それに比べてヴォルフスブルクは、デ・ブライネを基点にして中盤が積極的にサイドチェンジを行い、相手の守備を広げてから攻めるという狙いが徹底されていて、サイドチェンジの精度不足でそのままタッチラインを割ってしまう事があっても、その回数が減ることはなくチームとしての意思統一を感じさせた。

香川はあまりボールに絡むこと無く後半25分にロイスと交代したが、そこからドルトムントは点こそ取れなかったものの、サイドでスピードに乗った攻撃が見られるようになり、やはりこのメンバーだと香川に縦パスを出して細かく組み立てるサッカーよりも、とにかくサイドへドカンなサッカーのほうがやりやすいのだろう。そして前半にあったチャンスも、オーバメヤンがサイドに張ってそのままロングパスに抜けだしたシーンがほとんどだったのも皮肉である。

レヴァンドフスキのようなロングボールを収められる選手がいない以上、フンメルスからの縦パス、そしてサイドチェンジを得意とするシャヒンという縦と横に攻撃を広げられる選手がいないと、香川は周りを相手に囲まれた状態でずっと後ろ向きにプレイせざるを得ず、それでやれる事はせいぜいワンタッチのバックパスしか無くなってしまう。前半はそれを何とか打開しようとスペースへ飛び出す動きもあったが、香川自身に絶対的なスピードが無いので精度の高いパスが来ないと意味が無く、結局振り出しに戻ってしまった。

しかし、この夏に満足なポストプレイが出来るFWが来るとは限らないし、ギュンドアンとフンメルスには移籍の噂があるし、かつてのドルトムントのようなサッカーは復活できないかもしれない。出来ればバイタルでチョコチョコやりたい香川のプレイスタイルを新監督のトゥヘルがどう見るのか、来季の選手編成とともに注目したい点である。