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「策士策に溺れる結果になったグアルディオラ」欧州CL準決勝第2レグ バイエルン・ミュンヘン-バルセロナ

カンプ・ノウでの第1レグがまさかの0-3という結果になり、決勝進出のためにはホームでの大勝が求められる事になってしまったバイエルン・ミュンヘン。

その第2レグでは、前半の7分にCKからベナティアがヘディングで先制して首尾よくスタートを切ったものの、そのベナティアのミスから前半のうちにネイマールに2点を取られ、その時点でバイエルンが勝つには5点が必要になってしまい、事実上試合は終わってしまった。

バイエルンは後半にレヴァンドフスキの足技からのシュート、ミュラーのミドルでこの試合については逆転勝利を飾ったが、バイエルンの選手が認める通り、バルサの後半はほぼメッシが1トップ状態で守備をせず、ある程度流した状態で戦っており、バイエルンにとってはある意味屈辱の勝利になってしまった。

第1レグでは、バイエルンはバルサの4-3-3に対して完全マンマーク・マッチアップの3-4-4という奇策に出て驚かせたが、この試合でもグアルディオラ監督はシュバインシュタイガーとラームを両SHに置き、SBをほとんどボランチの位置に上げた2-4-4というフォーメーションにして来たが、結果的にはこれも裏目に出てしまったと言える。

狙いとしては、シュバインシュタイガーとラームというインテンシティの高い選手を使うことで、プレスと走力でバルサに対抗しようとしたのかもしれないが、ポルトやシャフタールとは違ってバルサは多少のインテンシティには動じず、逆にバイエルンが高いラインを取った裏のスペースを美味しくいただく能力があった。

また、ロッベンとリベリを怪我で欠いた状態では、バイタルやサイドでアクセントを付ける選手がおらず、縦パスから反転やドリブルで一気にシュートまで持って行く場面は少なく、結局手数をかけてサイドチェンジからクロス、そしてミドルというパターンが多かった。バルサが引いていたとは言え、それまでのパスサッカーよりも後半途中からのパワープレイのほうが可能性を感じたのは皮肉である。

戦力的にはまともに行ったら勝ち目は少なく、それまで格下相手に成功した奇策をそのままバルサにぶつけたくなった気持ちは分からないではないが、ボランチにシュバインシュタイガー、SBにラームを使わず、本来持っていた自分たちの強みを活かせなかった采配はやはり疑問だ。さて、この結果を受けてバイエルン首脳陣はどう判断するだろうか?

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