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「監督から大絶賛の大迫と長澤、チームから追放のボアテング」ドイツ・ブンデスリーガ第32節 ケルン-シャルケ

大迫が先発出場し始めた第28節から4試合負け無しの好調を続けているケルンは、この試合でも内田が抜けてから調子が上がらないシャルケを2-0で一蹴、無事ブンデスリーガ1部残留を決めた。

内田の怪我以来シャルケの試合を見ていなかったのだが、いつの間にかフォーメーションが4バックになっていて、互いにゾーン・ディフェンスを敷く4バックのマッチアップになったが、この試合の内容と結果を大きく左右したのは両チームの前線に居る選手の働きであった。

シャルケの守備があまりケルンの2トップに対して激しいマンマークを仕掛けて来なかったのもあって、大迫の動き出しに対して良くボールが集まり、元から足元で受けてシンプルにさばく能力は卓越していたが、最近では競り合いのスキルも向上しており、ボールが来る前にあえて相手に対して体を寄せてから反転してすり抜けてみるなど、マークに来る動きを逆に利用してフリーになる手段を身に付けつつあるのが心強い。

とは言え、ボールをすぐに離せる状況だと全く問題ないが、味方のフォローを待つ場合など足元である程度の時間をキープする能力については足りない部分があり、まだフィジカルで押されて体勢を崩してロストする場面が多いのは課題である。そして単に上手くボールを受けるだけではなく、レヴァンドフスキのようにそこからシュートまで持って行ける独力も、今後上のキャリアを目指す上で求められるポイントだ。

そしてスペースに動いてボールをさばく大迫にとって、SHでありながら比較的自由に動いてボールに絡む長澤の存在はベストマッチで、この試合ではようやく怪我前の状態まで復調して来たようで、本来彼が持っていたダイナミズム、守備から攻撃への早い切り換えと1対1での競り合いを厭わない闘争心、先制点に繋がったシュート場面のように躊躇なくPA内に飛び込んでボールを受ける積極性が見られたのは嬉しい限り。

もっとも、後半は前半のハイペースが祟ったのか息切れがやや目立ち、今節のキッカー誌ベストイレブンに選ばれるほどかなと思っていたのだが、それは長澤の完璧なアシストをスヴェントが豪快に外したシーンがブンデス公式動画に載るほどインパクトが強かったからかもしれない(笑)。

逆にシャルケの方は、試合後にボアテングとシドニー・サムについての無期限追放が発表された通り、トップ下で先発したボアテングがおもいっきりチームの足を引っ張っていた。ケルンのサイドの裏のスペースを突くわけでもなく、悪い時の香川のようにバイタルでフラフラして足元にボールをよこせとアピールするだけ、それも香川のように前線から守備をするわけでもなく、1トップのチュポ・モティングや右SHのサネがそこそこ頑張っていただけにその無気力ぶりが際立っていた。とは言え、契約期間内での追放という強行手段はどうかと思うが・・・

シャルケは来期のチャンピオンズリーグの出場権を失った上に、ドルトムントとブレーメンが勝ち点2差まで迫り、ヨーロッパリーグの出場権も安泰とは言えない状況。内田が所属しているチームだけに残念だが、これでもし最悪の結果になってしまうと、フンテラール、ドラクスラー、ファルファンといったビッグクラブが狙う有力選手の去就もこれから注目される事になってしまいそうだ。

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