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「コンディション以上に組織力の差が出た試合」J1-1stステージ第9節 浦和レッズ-ガンバ大阪

J1の1stステージ優勝争いを大きく占う首位決戦だったのだが、GW期間中でACLも混ざった過密日程と言う事で、あまりインテンシティの高くない試合になってしまったかなと。

その状況が有利に働いたのは明らかに浦和。浦和のサッカーはDFラインからのビルドアップが生命線であり、それを分断するにはいかに浦和の3CBに対して圧力をかけられるかが重要になるのだが、ガンバのパトリックと宇佐美の2トップはほとんど前からプレスをかけなかったので、浦和はほぼノープレッシャーでビルドアップをする事が出来ていた。

ただ、ガンバも以前に比べると遠藤や今野がポジションを放り出してフリーダムに動く癖が少なくなり、組織としてはあまり連動性は高くないけれど、高い位置で基点を作ってから森脇や槙野が攻撃参加して来る浦和得意のサイド攻撃に対しても、ゾーンでしっかり対処することが出来ていた。

が、この前に見た横浜Fマリノスのように、そういう守備組織を整備しても試合が経過するに従って綻びが出て来てしまうのがJリーグチームの悲しさで、後半になるとガンバのDFラインがいとも簡単にPAの内側まで下がるようになってしまい、SBがアタックに行った後にSHが裏をカバーする動きも少なくなって、浦和がさらに高い位置のサイドで基点を作るようになる。

後半39分に決まったズラタンの決勝点の場面を見ると、中盤でガンバがボールを奪った後に何故かそのまんま今野がフラーっと前に出て行ってしまい、ガンバがバックパスを奪われた時点でゾーンは4-2と人数が足りておらず、結局マークのズレが影響して最後はズラタンがフリーになってしまった。ゾーン・ディフェンスのセオリーからすると、あり得ない今野の軽率な攻撃参加だった。

今日はガンバのACL最終節があり、ブリーラムと同勝ち点差で2位のガンバは首位の城南とホームで戦うことになっているが、ブリーラムの試合がホームなだけにガンバは勝利が必要になる。が、この浦和戦を見る限りではあまり状況は芳しくないと言って良いだろう。

やはりアジアでの戦いでは、いかに相手に楽な試合をさせないかが重要であり、浦和戦のパトリックと宇佐美のようにプレスがかけられない、オフ・ザ・ボールが無くてカウンターの基点にもなれない2トップではひたすら耐えるだけの試合になってしまうだろう。長谷川監督の采配能力が問われる一戦になりそうである。

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