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「このままでいいのか、柏のバンザイアタック」J1-1stステージ第6節 柏レイソル-鹿島アントラーズ

この試合で対戦する柏と鹿島の両方が、来週に行われるACLグループステージ第5節を控えているため木曜に前倒して行われた試合。

ACLでは、柏は現在グループ2位なのに対し鹿島は最下位とここまで対照的な結果になっているのだが、この試合を見る限りでは正直言って柏がこのままACLを勝ち抜けられるとはとても思えない内容だった。

柏のフォーメーションは4-2-1-3で、守備時には両ウイングが下がって4-5-1のような形で守るのだが、まず右ウイングのクリスティアーノが全くボールホルダーに寄せて行かない。しかもその後ろにいるSBの輪湖が中途半端にボールへ食いつくので、最初に見た時は柏の左サイドは低い位置でマークの受け渡しという奇想天外な戦術を採っているのかと思ったぐらいだ(苦笑)。

そして柏の右サイドはマイボール時に工藤がレアンドロの位置まで上がり、SBのキム・チャンスもそれに釣られてボランチの位置まで上がっているので、裏のスペースがスッカスカ。おかげで鹿島はサイドチェンジすれば簡単に両サイドで基点が作れ、人は居てもボールにプレスがかからない右サイドからは如何様にでもパスやクロスが出せるので、柏はボールこそ支配はしていたが前半のペースとしては鹿島のものだったと言える。

後半4分に、柏の左サイドからのFKが柴崎の足に当たってコースが変わり、いったんは曽ヶ端が弾くものの最後はエドゥアルドに押し込まれて同点に追いつくものの、もともと攻撃時は2バックでサイドのスペースが空きまくりなのに、徐々に中盤の運動量が落ちてプレスのフィルターがかからなくなり鹿島がカウンターを次々に繰り出す展開。

それでも遠藤や金崎が次々にシュートをミスしてなかなか点は動かなかったのだが、26分に山本脩斗のクロスをカイオが合わせてとうとう鹿島がリード。終盤の柏は、ほぼSBが前線まで上がった5トップ、時には中盤の選手まで前線に張り付いた6トップ、つまり2-2-6のようなバンザイアタック・フォーメーションを仕掛けるものの、チャンスはことごとく曽ヶ端に止められ、当然ながらカウンターでダメ押し点を食らって試合終了。

柏の吉田達磨監督は、試合後のコメントで「感動した!」などと異様にポジティブな発言をしていたが、もし本当に心からそう考えているのだとしたら重度の「自分たちのサッカー病」に侵されているように見え、これは相当やばいんじゃないかと思ってしまう。攻め達磨だけじゃなくて、守りの達磨という一面がある事をACLでは期待したいのだが・・・

鹿島については、まだプレスの寄せが全体的に弱くて遅い面はあるが、徐々にではあるが調子は確実に上向いている。柴崎も相変わらずな軽いプレイでボールを失った場面はあったが、ハリルホジッチ監督が見ていたのもあってか積極的な当たり、ボールを引き出す動きでインテンシティの向上に対する意欲が見られたのは良かった。昌子は1対1でやや不安定さを露呈。得点をした植田は良いアピールになったのではないかと思う。次の大一番、アウェイのウェスタン・シドニー戦で何とか勝って欲しいね。

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