旧閑ガゼッタ

「タレント攻撃陣の世代交代に直面するオランダ」EURO2016 グループA オランダ-トルコ

本来ならグループの首位を争っているはずが、チェコとアイスランドにリードを許してまさかのグループ3位と4位に沈んでいるオランダとトルコが対戦した試合。

展開的にはホームのオランダが圧倒的にボールを支配して攻め立てるものの得点までには至らず、逆に前半37分の何でもないクロスの流れからオランダDFがトルコFWブラクのフェイントに引っかかって先制点を食らい、6分の長いロスタイム中にスナイデルのミドルがフンテラールに当たって入るというラッキーで、何とかオランダが命拾いをした形。

トルコのテリム監督が選んだ戦術はほぼマンマーク。それも、フンテラール、デパイ、アフェライの3トップのみならず、インサイドハーフに入ったスナイデルにもマークを付け、最終ラインに6人が並ぶ事も厭わない徹底ぶり。それに対してオランダは、序盤こそオランダらしい速いサイドへの展開からドリブルで攻める攻撃を何度か見せたが、その勢いはすぐに潰えてしまった。

オランダはブラジルW杯で3位という好成績を残したものの、攻撃についてはほぼファン・ペルシとロッベン、スナイデルというワールドクラスのタレント3人に任せていたようなもので、その彼らが負傷で欠場すると一気に確実性が下がってしまう。で、結局チームを救ったのはこれもベテランのスナイデルという有様。

守備でも、ヒディンク監督になってからはオランダ伝統の4バックを採用しているのだけれど、アンカーとして起用されたデ・ヨングを含めて横の揺さぶりに弱さを見せ、トルコがPA内で細かくボールをつなぐと簡単に右往左往、トルコの攻撃回数自体は少なかったが、それでも2点は入っておかしくない決定機を作られてしまっていた。

そう考えると、5バックにしてDFがポストプレイに対して早く当たりに行き、飛び出たスペースを他の4人で埋めたブラジルW杯でのファン・ハールの采配は、横には弱いが縦には強いオランダDF陣の特性を考えぬかれたものなのだなと改めて思う。

ただ、それもやはりカウンターで点が取れる攻撃陣が居てこその選択であって、今回のユーロはともかくロシアで彼らがピッチに立っている可能性は極めて低い。ユーロ予選を勝ち抜きつつも、今までオランダを支え続けていたタレントに代わる新しい戦力を作り出すという難しいタスクが、ヒディンク監督には求められている。