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ハリルホジッチ体制発足2試合で見えた、各選手の起用可能性

ハリルホジッチ監督が就任してから初の試合となった3月の2連戦は、ともに連勝という最高のスタートを切る結果となりました。

しかもフィールドプレイヤーについては2試合目で全とっかえし、公約通り全員を起用した事で今後のチーム作り、選手選考について多くの情報が集まった事でしょう。

そこで、今回はこの2試合で出場した選手について、今後も起用されそうかどうかという点についてランクしてみます。

GK

権田修一 ○
あまり守備の出番は無かったが、ボールをキャッチしてからの切り換えが速かった点は評価。ただしフィード精度は課題。

川島永嗣 ○
とりあえずウズベキスタン戦は安定したセーブ。ただし切り換えは権田よりも劣る。

DF

吉田麻也 ◎
チュニジア相手でも安定した守備。最近はやらかしも少なくなって頼もしい。CBファーストチョイスは揺るがない。

森重真人 ○
縦へのフィードで攻撃力をアピール。ただしもっと積極的な押し上げを。

槙野智章 ○
ロストの危うさはあるがガンガン前に持ち上がる果敢さはハリルホジッチ好みかも。

内田篤人 ○
怪我明けでコンディションが戻ってない。依然としてファーストチョイスではあるが常時フル稼働は難しいので後継が必要。

酒井宏樹 ○
もともと持っている潜在的な能力は高いので、ハリルホジッチの指導でいい加減本格開花してもらいたい。

酒井高徳 ○
同じく攻撃力は欧州で通用しているので、指導で守備や判断のポカが減ってくれば・・・

藤春廣輝 △
攻守の拙さをスピードと運動量でカバーし、思ったよりやれてた。これをきっかけにクラブで化ければ。

水本裕貴 ×
もともと1対1の強さには定評があった選手。ボランチ起用だったがそこそこ持ち味は出せたのでは。

太田宏介 ×
クロスだけは良いが守備面でダメダメ。まずはゾーン・ディフェンスの何たるかを理解しよう。

昌子源 ×
クラブでの守備方法との違いに戸惑う。現時点でCBとしての順位は下位だろうがこれからの経験に期待。

MF

香川真司 ◎
まだ好調時には及ばないが、狭いスペースで見せるスキルは卓越している。依然として日本のエースである事には変わり無し。

長谷部誠 ◎
フランクフルトで開花したアンカーとしての能力を代表でも発揮。やはりボランチのファーストチョイスだろう。

山口螢 ○
怪我明けという事でチュニジア戦序盤は大人しかったが、後半には本来の力を発揮し始める。ボランチ二番手筆頭。

青山敏弘 ○
守備面では上の2人に及ばないが、縦パス能力では上回る。守って来るアジア勢には効果を発揮しそう。

今野泰幸 △
カバーリング能力は相変わらず高いが、あまりゾーン的な働きは期待しにくい。守備固め要員筆頭というところか。

清武弘嗣 △
技術や判断の潜在能力は高いが、頭と体のインテンシティが足りず見ていてもどかしい。先発を掴むにはいい加減に壁を破らなければ。

柴崎岳 ×
現状のフラフラとスペースでボールを受けてさばくスタイルだと現代表では厳しそう。もっと攻守にインテンシティを上げないと。

FW

岡崎慎司 ◎
運動量、アジリティ、決定力に加え、最近はポストプレイも上達して穴が無い。ハリルホジッチサッカーとの親和性も申し分なし。間違いなく現代表で一番必要な選手。

本田圭佑 ○
左足の精度、決定力、判断力は依然日本のトップだが、インテンシティとアジリティを求める代表のスピード感に付いて行けるかどうかが、彼にとっても代表全体にとっても大きなポイント。

乾貴士 ○
スキルと運動量は国内組を凌駕するが、ウズベキスタン戦では持ち過ぎで再三チャンスを潰す。クラブでも課題は同じなので何とか殻を破りたい。

武藤嘉紀 ○
運動量、スピード、守備とアスリート能力は高いが、攻撃が基本的にドリブル単独突破&シュートで幅が狭い。もっと使い使われる存在になって欲しい。

宇佐美貴史 △
ようやく代表で結果を出す。守備にも意欲は見せるが、まだスキルも量も伴っていない。これを機にガンバで課題に対して真摯に取り組めるかどうか。

川又堅碁 △
前線で積極的に体を張れるFWが少ないので意外と貴重な存在かも。他の選手に比べるとスキルはまだ低いのでクラブで意識高く臨んでもらいたい。

永井謙佑 △
ロンドン五輪でスペインを苦しめたスピードとプレッシング能力はやはり脅威的。まずはクラブで実績と経験を積み上げよう。

大迫勇也 ×
柴崎と同じくインテンシティに課題があり、ドイツでもレギュラーになり切れていない。どのみちスピードに欠けるので体を大きくして前で勝負してほしいところだが・・・

やはり全体的に感じられるのは、上手い選手よりもインテンシティの高い、または純粋なアスリート能力の高い選手を優先しているな、という事です。大迫よりも宇佐美を多く使って来たのを見ても、平均的な能力よりも何か突出した物を持っている選手を、戦術によって組み合わせて使うのが好みな気がしますね。

インテンシティについては、もっと総合的なプレイの質をいう言葉だとの指摘がありますが、それを言い出すと話がややこしくなってしまうので、ここでは攻守の切り換えの早さ、ボールホルダーに寄せる感度とスピード、ゴールから逆算した効率の良いプレイ、という意味で捉えたいです。

今朝のツイートでも少し書きましたが、ザックジャパンでも最初のうちはインテンシティの高いサッカーを志向していたように、同じメンバーで長くサッカーをやっていると、日本人はどうしてもパスをつなぐ華麗なサッカーをやってしまおうというベクトルが働くように見えます。

それを防ぐには、常に監督が目指すサッカーをメッセージとして発信し続け、選手選考にもそのメッセージに応えられるかどうかという明確な基準を持つことが大事だと思います。

ザックの場合は、あまりに中身が日本人であったために結局はその日本人ベクトルに流されて行ってしまいましたが、ハリルホジッチはトルシエ並にそういう心配は無さそうなので(笑)、その意味では心強いものがあります。

次回の代表戦は6月のアジア二次予選と早速ガチの本番試合がやって来ますが、そのメンバー招集で今度はどんなメッセージを打ち出してくるのか、楽しみですね。

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