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「真の点取り屋が居ないという欠点は積年の課題」AFC U-23選手権予選 グループI 日本-マレーシア

何故かグループリーグ最終節なのに、会場が同じシャー・アラム・スタジアムで先にベトナムとマカオが行われた後に日本対マレーシアが行われるという、中1日という日程も含めてアジアならではのトンデモ運営な上に、スコールが降って先の試合が中断、日本の試合も危うく深夜にずれ込む危険性があった試合。

ベトナムがマカオに7-0と大勝したものの、得失点差で日本がマレーシアに0-4で負けなければ1位通過という有利な条件ではあったが、試合序盤以外は勝たなければならないマレーシアが何故か前にほとんど出て来なかったために、2度ほどちょっと危ないシーンはあったが日本が終始試合を万全にコントロール、前半41分に挙げた久保のヘディングゴールをきっちり守り切っての勝利となった。

先に行われたA代表ウズベキスタン戦のほうは、5点を奪って大勝したとは言え、1失点以外にも何度かフリーで決定的なシュートを打たれるなど危ないシーンがあったのに対し、U-22のほうはマレーシアをシュート4本に抑えつつ日本は22本打ち、しかもセットプレイまで22本あったという試合支配ながら、結果としては最小得点だったのは正直言って物足りない結果と言わざるを得ない。

攻撃の形もよほどA代表よりは共通理解が出来ており、5-4-1できっちりゾーンを作っているマレーシアに対し、日本の野津田、荒野のSHがバイタルに下がってボールをボランチの遠藤と大島にワンタッチで返し、そこからスペースへと飛び出す鈴木やSBのオーバーラップに展開するパターンが繰り返されていた。その中でも特に遠藤と大島の安定感はさすがで、マレーシアがブロックを作ってパスカットを狙っている中でも落ち着いてボールをさばき、マレーシアにラインを上げさせず自陣にゾーンを釘付けにさせていた。

それだけに、決定力と言うかラストワンプレイの精度の低さは気になった。A代表ウズベキスタン戦も、得点シーンは青山のゴラッソミドルや太田のピンポイントクロス、宇佐美のドリブルシュートなど個人のプレイ精度から生み出されているわけであり、いくらピッチが田んぼだったとはいえ、人数は飛び込んでいるのに合わないクロス、思い切り打ってみましただけのミドル、フリーでヘディングをしても枠の外連発というのはいかにも寂しい。

A代表もそうだが日本の五輪代表は特に点取り屋不足という問題を抱えており、ロンドン五輪の時には謎の大津と永井の爆発があったものの、だいたい内容の割に得点が取れずに苦労している。手倉森ジャパンも、やはり中島が謎の決定力を見せているだけであって、この相手ならともかく最終予選や五輪本番で苦労するのは目に見えている。もちろん監督もそれを見据えての欧州組を招集しているのだろうが、久保を見ても未だ融合は出来ていない。

リオ五輪の最終予選が行われるのは遠く来年の1月になる。海外組の融合を第一にするならば、直前合宿までは攻撃陣については新戦力の発掘に力を入れるしか無い。いったんは攻撃陣のメンバーを白紙に戻し、再度Jリーグで成長した選手を選びなおすべきだろう。

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