まだ寒い信州のナイターだと言うのに、満員の17000人をアルウィンに集めた松本山雅J1初ホームの試合は、後半の猛攻も及ばず1-2でサンフレッチェ広島に惜敗した。
前節の開幕戦でも、山雅のディフェンスはあらかじめマークをして待ち受けた場所に来るボールに対しては強いが、パスを大きく早く回されると対応が後手に回る傾向が見られたのだが、この試合でも山雅のFWが広島のCBやボランチにプレッシャーがかけられず、サイドへ自由に展開されてしまっていた。
サイドの高い位置に基点を作られてしまうと、どうしてもDFラインはボールの位置まで下がらざるを得なくなるので、結局はボールを奪っても遠い位置に離れたFWまでボールが届きにくいので結局はセカンドボールを拾われてしまう。広島が前半7分にサイドを切り崩してゴールを奪った時は松本はどれだけ失点を重ねるのかと思ったぐらいだ。
12分にPKをもらってオビナのゴールで同点に追いついたものの、前半終了間際に広島が森崎浩司のFKで再びリードを奪ったのだが、それもCKならともかく直接FKとしては珍しいゴールポストに立った味方がクリアしそこねたゴールで、それが反町監督の指示だったのかどうかは分からないが、どうにもチグハグさを感じる前半だった。
ところが後半も30分を過ぎ、広島の運動量が落ちてパスコースを作る動きが落ち始めてからは完全に山雅劇場となり、今度は松本がセカンドボールを拾いまくってパワープレイを仕掛け、最後は手に汗握る展開で何とか紙一重で広島が集中力を切らさず逃げ切った試合になるのだから、90分の中では一寸先は闇だなと改めて思ってしまった。
しかしまあ山雅はこの2試合は熱心なサポーターの力もあって、見ていて熱くなる試合を見せてはくれたが、やはりセットプレイ頼みというのは見えてしまっているので、今後各チームが研究してくると厳しくなる事が予想される。
サッカーが基本的に低い位置で固めてカウンターなので、ロングボールを収めて単独でも前を向けるオビナがいないと悲惨な事になるのは確実で、彼がいる間に勝ち点を稼ぎ、不在時にどれだけ耐え凌げるかでJ1残留の運命が決まってしまいそうだ。