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なでしこジャパンがアルガルベカップで惨敗した理由

日本がディフェンディング・チャンピオンとして迎える6月のカナダ女子ワールドカップの前哨戦として期待が集まったアルガルベカップは、グループリーグでデンマークとフランスに敗れる結果で9位に終わり、本番に向けて非常な危機感を覚える結果になってしまいました。

男子に比べるとスポンサーなど営業筋からのプレッシャーが弱いために、佐々木監督はそれを利用して大会本番以外の試合ではあくまでテストと位置づけ、今回も2試合目のポルトガル戦では初戦のデンマーク戦から11人全員を変えるという思い切った手段に出ていたので、一概にW杯が即大ピンチとなるわけではありません。

ただ、このアルガルベカップと言うか、ロンドン五輪以降のなでしこジャパンの苦戦についてはある程度の予想は出来ていました。そこまで、文字通りの大黒柱として精神的、肉体的に全選手がその存在に依存していた澤穂希選手が消えてしまったのだから当然です。澤は、守備では危険な場所に必ず顔を出し、ボールを奪うと正確なミドルパスでサイドに展開し、チャンスには必ずゴール前に飛び込んで点を取ってしまうのだから、フランス黄金期のメンバーからヴィエラ、ジダン、トレゼゲを合わせたような存在だと言っても良いでしょう。そんな選手が抜けたらどうなるかは簡単な話です。

佐々木監督は、そのボランチに宮間を嵌めて何とかしようとした模様ですが、それはフランス代表の真ん中に中村俊輔を入れるようなもので上手く行くはずがありません。しかもフォーメーションはボランチに個人でのキープ力、打開力が求められる4-4-2のままなのですから、澤以外の誰を持って来ても機能しない事は明白です。

ポテンシャルだけで言えば猶本や京川、杉田、長谷川といった有望な選手はいますが、当然まだあまりに経験不足です。それに女子サッカーは、男子と比べてマーケットの小ささゆえに選手の流動性が薄く、黄金世代が前につかえてチーム内でなかなか出場機会が得られないという問題が出てきています。ここも協会としてのビジョンが求められる点です。

話が少し脱線しましたが、アルガルベカップでは宇津木選手がなかなか良いプレイをしていたので、宇津木選手をボランチの軸にし、最終戦のアイスランド戦でやったように宮間をトップ下にした4-2-3-1で中盤の負担を軽減する策がベターなのではないかと思います。おそらくそれでも、よほど大儀見選手が爆発しない限り、ワールドカップ連覇は相当難しいのは確かでしょうが・・・佐々木監督は残りの期間でどういう決断をするのでしょうか?

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