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「守備組織は良くても個人の守備はいただけない」J1第1節 ガンバ大阪-FC東京

あいにくの冷たい雨の中で行われたJリーグ開幕戦は、前年王者のガンバ大阪がパトリックと宇佐美の得点で2点をリードするも、後半に武藤の連続ゴールでFC東京が追いつくという激しい試合になった。

ガンバの守備はやはりゾーン・ディフェンスで、4-4-2のコンベンショナルな形であまりボールとは逆のサイドが上がらず、宇佐美とパトリックに素早くボールを預けてそこから個人能力で打開する手堅いサッカー。それに比べて東京のほうは4-3-1-2のフォーメーションで同じくゾーン・ディフェンスながら、中盤がスライドしたりトップ下の河野が下がったりとイタリア人監督らしくガンバより緻密な組織になっていた。

まあそうなると、運動量と組織が整っている前半のうちはミスやセットプレイでも無い限りはなかなかチャンスが生まれないのは当然で、前半ロスタイムに試合が動いたのは、宇佐美のドリブルがタッチラインを割ったところ、東京の選手がセルフジャッジをしてしまい、その隙にパトリックが森重の前に入り込んで遠藤のクロスを決めたものだった。

後半になると東京が前に出て来る分、ガンバにもスペースが生まれて試合は動き始める。が、追加点を奪ったのはガンバのほうで、8分に宇佐美がワンツーで切れ込もうとしたところを梶山が倒してしまってPK。これを宇佐美自身が決めてガンバが2点をリードする。

しかし後半25分ぐらいからガンバはACLの疲れもあるのか守備陣がなかなか押し上げられなくなり、ゼロックス杯後半のようにラインコントロールよりもマンマークで対処しようという姿勢が多くなり、東京の攻撃陣がPA内に入る回数が増え始める。

案の定、後半30分に武藤の背中についた丹羽がターンについて行けず、至近距離からのシュートに誰も反応できず失点。そして後半のロスタイムには岩下のクリアミスを拾った武藤がゴラッソなミドルを叩き込み、東京が土壇場で追いついて試合は終了。

両チームのエースが得点したという事で盛り上がった試合にはなったが、全得点が組織ではなく個人の守備が主な原因だったのは国内サッカーの頂点に立っているはずのJ1トップクラブとしては情けないものがあった。日本勢が最近のアジアでやられているのもまさにその部分であるわけで、負けなくて良かったではなくそこを厳しく見る姿勢をJリーグには求めたい。

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