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「これは滅多に見られない荒ぶる長谷部」ドイツ・ブンデスリーガ第23節 フランクフルト-HSV

イエローカードの累積で欠場になったマインツ戦を1-3で落とした直後の復帰戦とあってか、この試合の長谷部はしょっぱなから判定に猛抗議をするわ、ファール判定に叫んで悔しがるわ、PKを決めたマイヤーに体当たりで喜ぶなど普段とは全く違った荒ぶる姿を見せていて、個人的にはそこがこの試合で一番の見どころだったかなと(笑)。

フランクフルト自体は相変わらずイタリア人監督が見たら卒倒しそうな前のめりスタイルのまま、今回も4-2-3-1とは名ばかりの実質4-1-0-3-2という長谷部過労死フォーメーションは変わらず。CBが鈍足なのに妙にラインを揃えて高い位置に置こうとする上に、マイヤーはあまり守備をせずアイクナーは基本右サイドに張りっぱなしで、その紙のように薄い前線の守備ラインを突破されてしまうと後はDFラインの裏へボールを出されまくり。しかし序盤のピンチもフランクフルトはGKトラップの好セーブでなんとか凌ぐ。

すると12分にピアソンがHSVのDFジュルーに倒され、微妙な判定でPKをもらってフランクフルトがラッキーな先制点を奪うが、前半ロスタイムにあっさり人数が揃っていた右サイドを軽くドリブルで突破され、仕方なく長谷部がカバーで寄ったものの真ん中は誰もカバーしておらず、やすやすとど真ん中にスルーパスを通されるという、どっかの国もビックリなザルっぷりで同点にされる。

そんな事でいちいちめげないフランクフルトは、後半9分に相手がカットしたボールを拾ったマイヤーがダイレクトでゴール右隅に決めてリードをすると、19分にはHSVのオストルツォレクがアイクナーを後ろから引き倒してしまって2枚目のイエローで退場。これで試合をほぼ手中に出来るのが普通のチームなのだが、残念ながらフランクフルトはそうではない。

後半になってからは、記憶ではボランチだったシュテンデラが守備に戻って来るようになり、4バックのうち1枚が前に出てバイタルのケアをするようになって多少は守備が安定したと思ったら、この退場でまた前半のように長谷部の周り10mがスカスカになってしまい、数的優位なはずなのにサイドを軽々突破されてはピンチを作る始末でGKトラップ大忙し。

乾も後半途中まではトップ下の位置から左右サイドに攻撃をフォローしつつ、味方に確実につなげるプチ香川のような役割で貢献していたが、後半途中からすっかり試合の流れから消えて行方不明。フランクフルトはそれでも何とか逃げ粘り、ロスタイムに2つ目のPKでマイヤーがハットトリックのチャンスを得るがクロスバー。最後まで互いにドタバタの試合はこれで収束した。

フランクフルトはこれでEL圏内とは勝ち点4差の10位に浮上したが、まずこの守備じゃ無理だし万一欧州戦に出たら降格は確実(苦笑)。逆に、広大な空間を1人で支えている長谷部がまた抜けると一気に降格圏へと落ちかねない。まだこれならシュテンデラの代わりに乾がボランチでいたほうが安定するように思うんだけど、多分変わらないんだろうなあ・・・

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