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「香川に残る課題はシュートだけ」ドイツ・ブンデスリーガ第23節 ボルシア・ドルトムント-シャルケ

それぞれ風邪と怪我から復帰した香川と内田が先発した伝統のレヴィア・ダービーは、チャンピオンズリーグでユベントスには負けたもののリーグ戦3連勝の勢いそのままに前半からチャンスを量産。しかしなかなか点が決まらずいつもの失速パターンかと思われたのだが、後半もゲーゲンプレッシングの勢いが落ちず、後半32分に香川が交代してシャルケの緊張の糸が切れたのか、そこから立て続けに3点をぶち込まれて結局は3-0でドルトムントが勝利した。

マティプ、キルヒホフと守備のセンターライン2人が怪我で欠場したシャルケは、それぞれノイシュテッターとアオゴがそのポジションを務めたのだが完全にそれが裏目に出て、アンカーのアオゴのところがドルトムントの狙い目になってしまい、ボアテングは全くボールを落ち着かせる事が出来ず中盤の争いで完敗。当然ながらラインは上げられず内田もフクスも低い位置に押し込められたままになり、孤立したフンテラールとチュポモティングは2人でシュートゼロと文字通りの空気になってしまった。

ドルトムントがかつての強さをここまで取り戻した一番の要因はゲーゲンプレッシングの復活である事は言うまでもないが、それと連動してギュンドアンとシャヒンのダブルボランチの復調も大きな理由だろう。ギュンドアンはようやく香川と歩調が合ってきて、以前のような香川に小気味良く縦パスを入れて自分も前線に絡んで来るコンビネーションが復活し、シャヒンも持ち前の展開力を取り戻し、おまけにフンメルスも正確なフィードを繰り出すのだから、ドルトムントの前線に入るパスの出しどころが3つもあるわけで、これではただでさえ5バックで中盤が薄いシャルケがドルトムントの攻撃を止められないのは当然の帰結である。

もちろん香川もチームとともにほぼ完全復活、後ろから潤沢に送られてくるパスを俊敏なターンでさばき、少なくとも前半のうちに3アシストを記録していても良いぐらいに正確なスルーパスを前線に供給し続けた。ドリブルもヘヴェデスを翻弄して抜き去る場面を作るなど体のキレを取り戻している。が、せっかくゴール前で抜け出しながらタイミングが遅れてディフェンスに当ててしまった場面があったように、シュートのタイミングや判断は悪いまま。逆に言えばそこさえ復活すればもう止められない存在になるはず。それがホームでのチャンピオンズリーグ第2レグに間に合うことを願うばかりだ。

内田については、キレキレの香川とロイスを前にヘヴェデスとともに奮闘を続け、もう1歩で届きそうなフンテラールへのパスなど光るプレイは見せたが多勢に無勢。コンディションも万全には程遠いようで前半途中から存在感を失い、ムヒタリアンが決めたドルトムントの2点目では必死に戻ってカバーしようとするが間に合わず。報われない奮闘になってしまった。

そしてシャルケはここに来て4試合勝ちが無い。もともと少ない得点を5バックで守り倒すパターンで勝ち点を稼いでいたのだが、怪我人の続出でさらに得点力が落ちて守備では最後まで守り切れない悪循環にハマっている。特にキルヒホフ不在による展開力不足は深刻で、4バックにして内田を以前のようにビルドアップ役として使う事を検討したほうが良いと思うのだが・・・

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