旧閑ガゼッタ

「やはりJリーグは戦術とは縁のないガラパゴスなのか」ゼロックス・スーパーカップ ガンバ大阪-浦和レッズ

今年のJリーグのシーズン開始を告げる恒例のゼロックス・スーパーカップは、昨年三冠を達成したガンバが苦しみながらも浦和を後半に突き放し、今年もJ1優勝候補である事を証明した。

・・・と結果だけならそう書けるのだが、ACLでの日本勢の不振を考えると個人的にはとても手放しで喜べない、”日本トップクラス”であるはずの試合だった。

試合の前半は両チーム合わせてシュート5本で得点はゼロ、後半はシュート16本で浦和にも多くの決定機があり、結局はセットプレイからエースの宇佐美が先制点を決め、ロスタイムに槙野のパスミスからパトリックが決めてダメ押しと、エンターテイメントとしては後半のほうが楽しめたのかもしれないが、個人的には前半はちゃんと試合になっていたが後半は戦術的に壊滅していたと思っている。

ちょうどJリーグは今期から各選手のポジションデータをリアルタイムで取得するトラッキングシステムを採用する事になり、このゼロックスでもテレビ画面の下部に各選手の位置が表示される時があったのでさらに良く分かったのだが、ガンバの前半はそれなりにゾーン・ディフェンスらしきものが徹底されていた。

確かに宇佐美は前線でパスコースを限定させる動きはしないし、遠藤は組織関係なくフリーダムに動くし、ボールホルダーへのアタック、つまりスカルトゥーラは全然甘くてパスコースを切る効果しか無かったけれど、一応は4-4のコンパクトなゾーンを保って浦和にバイタルでボールを使わせず、それに対して浦和も平川などがゾーンの外側で基点を作ってクロスから攻めるなど、どちらも戦術的な狙いがはっきりしていた。

しかし後半になると長谷川監督からどういう指示があったのか、とたんに中盤の選手4枚のポジションがバラバラになってゾーンは崩壊、DFもかろうじてラインを維持する瞬間はあるものの原則的にはマンマークになって浦和の前線への飛び出しに付いて行くのでギャップが出来まくり、そこに浦和の選手が侵入して決定機を何度も作られてしまった。

もし録画をしている方がいれば、前半と後半のトラッキング画面を見比べていただきたい。とにかく後半はガンバのゴール前で大穴が開いていたり、赤も青もポジションバランスもクソもなくゴチャゴチャになっているのが確認できるはずだ。

おそらくそこで浦和が得点を挙げていれば結果は違ったものになったのだろうが、それでガンバのほうが勝ってしまったため、監督はどう思ってるかは分からないが、ファンや選手は後半の戦い方のほうが良いと思っているのではないかと心配になってしまう。

少なくともガンバのGK東口はACLで出た課題が改善された事を喜んでいたそいうだが、もし本当に後半のカオスというか戦術無関係路線を歩んでしまうのであれば、ガンバのACLは既に赤信号を覚悟しておいた方が良いかもしれない。