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「香川の不在であちこちに軋みが出たドルトムント」欧州CL ベスト16第1レグ ユベントス-ボルシア・ドルトムント

前回のシュツットガルト戦で早めに交代し、これはミッドウィークのチャンピオンズリーグ・ユベントス戦に向けた温存かなと思ったのに、蓋を開けてみれば香川は結局出場せず。

アウェイだから以前のカウンター特化タイプにするために香川を外したのかなと思ったのだが、実際に試合を見てみるとやっぱりいつものゲーゲンプレッシングスタイルだったので頭にハテナマークが浮かんでしまったのだが、どうやらカンプルと同じくウイルス戦の胃腸炎にかかっていたようで、そのせいで欠場になった模様。なら、このドルトムントの内容も合点がいく。

ドルトムントのフォーメーションはいつもの4-2-3-1ではなく4-3-3。このフォーメーション変更の狙いは明白で、ユーベがボールを保持している時は1トップのインモービレにピルロをマークさせ、ウイングのロイスとオーバメヤンはインモービレよりも高い位置にいてCBからのパスコースを限定し、インサイドハーフに位置したムヒタリアンとギュンドアンがマルキージオとポグバ、アンカーのシャヒンがビダルをそれぞれチェックする。

試合の前半はこのドルトムントの対策が功を奏し、ユベントスのビルドアップを封じ込めてプレス合戦に持ち込み、そういう試合に慣れているドルトムントのほうが試合のペースを握る。が、対策は良くてもベストメンバーで臨めなかったツケがドルトムントに出てしまう。

本来であれば香川がマークすべきピルロを、運動量を期待できないインモービレがマークするために前線のプレス要員が一枚欠けてしまい、試合はドルトムントが押し込むもののユベントスにもカウンターのチャンスが何度か生まれ、13分に左サイドを突破したモラタのクロスをドルトムントGKヴァイデンフェラーが前に弾いてしまい、テベスが難なく押し込んで先制ゴール。ドルトムントもラッキーな事にその5分後、ロングボールに対応しようとしたキエッリーニが足を滑らし、ボールを拾ったロイスが落ち着いてゴールを決めて同点。

しかしここでドルトムントにとって第二の誤算が生まれてしまう。左SBのピシュチェクが負傷し、CBにギンターが入ってソクラティスが左SBにシフトせざるを得なくなった。そして43分に、テベスを基点としたカウンターからポグバに渡り、ソクラティスの寄せが甘くて簡単にクロスを出させてしまってモラタが難なく押し込んだ。また、インモービレのマークによって消されていたピルロが怪我で退いたことも、かえってユベントスにとっては守備を安定させる効果になり、ドルトムントにとって計算外だったかもしれない。

そして後半は一転してユベントスペースになり、ドルトムントは運動量が落ちて中盤を突破される形が増え始め、30分以降はテベスを中心に立て続けに危ないシーンを作ってしまうが、シュートの精度不足に助けられて何とか無失点。とりあえずはアウェイゴールをゲットしての1点差で試合を終わらせ、ホームでの第2レグに望みをつなげた。

香川とカンプルという主力の欠場、そしてピシュチェクの負傷交代というアクシデントがあった割には比較的損害が少なくて、ユベントス自体もあまり好調だったとは言えず、その意味ではまだドルトムントにほうに運が向いているように思う。第2レグでは、是非ともピシュチェク以外はきっちりベストメンバーを揃えてベストの力を出して欲しいものである。

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