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「何故ムヒタリアンはサブに回されてしまったのか」ドイツ・ブンデスリーガ第22節 シュツットガルト-ボルシア・ドルトムント

もう今晩にはチャンピオンズリーグのドルトムント対ユベントスの試合があるんだけど、ようやく金曜日に行われたシュツットガルト対ドルトムントの試合を見る事が出来た。

香川個人の出来としては前のエントリーに書いたので省略するとして、チームレベルの観点から見ると、シュツットガルトの戦術に上手くドルトムントのサッカーが嵌ったなという印象が強い。

シュツットガルトのステフェンス監督は、シャルケ時代もそうだったがマンマーク気味の4-4-2フォーメーションで、マイボール時はSBを高めの位置に上げてサイドから押し上げる攻撃パターンが多い。そして現在のドルトムントはロイス、香川、カンプルの2列目がファーストプレッシングを行い、それに連動して後ろの選手がアタックをかける守備をやっているので、SBが上がり目になる形は相性が悪い。

香川がヒールでアシストをした2点目を見ても、ドルトムントの右サイドで基点を作られ、そこに酒井高徳が引っ張られて出来たスペースを使われたもので、高い位置でボールを奪ってシュツットガルトのSB裏のスペースを攻める事が完全にドルトムントの狙い目になっていた。

だからと言ってサイドの守備を強化しようとすると、ドルトムント先制点のシーンのようにロイスと香川、オーバメヤンは自由にポジションを変えつつ、中央突破を交えて攻撃を仕掛けてくるため、シュツットガルトの守備は奪いどころが見つけられず、結局ドルトムントのパス回しに対して後追いの形になってしまう悪循環になっていた。

ところが、後半からカンプルに代わってムヒタリアンが入って来ると、ドルトムントが前半に見せていた攻撃がほとんど機能しなくなってしまう。ムヒタリアンはマイボールになっても右サイドに漂って足元でボールを受けようとするため、香川とロイスが動くスペースを潰してしまい、カンプルがやっていたプレスの強度もなく、ドルトムントの攻撃からすっかりスピードが失われてしまった。

しかもムヒタリアンはボールを持ってから必ず足元で一旦こねて溜めを作ってしまうので、いつものタイミングで飛び出そうとする選手に対してパスを出すと、遅れて何度もオフサイドにかかってしまった。ムヒタリアンは決して悪い選手では無いし、クロップも復調を期待して後半最初から起用をしたのだが、攻撃が香川仕様に戻ってしまったドルトムントからは一歩遅れた存在になってしまっている。同じように不遇を囲っているラモスやインモービレも含め、彼らの不満がチームに悪影響を及ぼさないか心配なところだ。

さて今晩はいよいよチャンピオンズリーグのユベントス戦。香川は当然スタメン濃厚で期待がかかるわけだが、残念ながらブックメーカーの予想ではユーベの勝ち2.07に対してドルトムントの勝ちが3.47、ドローが3.2とユーベ有利な状況になっている。ちなみにこのページにはACLのオッズもあり、全北現代と柏のオッズがドルトムント対ユーベと似通っていてなかなか興味深い。両方ともその予想をひっくり返すような結果になって欲しいね。

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