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「大迫はいつまで経ってもハマらないジグゾーのピースなのでは」ドイツ・ブンデスリーガ第21節 ボルシアMG-ケルン

自分的にとってのサッカー観戦は、決してチームや選手のファンや戦術解説のためはなく、あくまで見て楽しい娯楽であって欲しいと思っているので、出来ることならミランの試合からの連続でしょっぱい負け試合は見たくないんだけど、録画してあったのがハノーファーとこのケルンの試合しか無く、大迫が先発で出場するのは久々という事もあって消去法でこちらを選んでみた(笑)。

ケルンはリーグ戦20試合でブービーの19得点、しかもここ2試合はいずれも0-0のドローと深刻な得点力不足ではあるのだが、逆に失点は24と4番目に少なく、それもあって降格圏と勝ち点3差とは言え11位をキープしている理由になっている。

その守備を見てみると、1対1で負けたら後は知らんというパターンが多いドイツにしては珍しく基本に忠実なゾーンディフェンスをやっている。が、アウェイというせいもあるのか最終ラインがあまり押し上げず、中盤はボールホルダーに寄せるんだけど、DFの選手が連動して付いて来ないのでバイタルが空きがちになる。そしてボールと逆サイドの中盤がそれほど高い位置取りをしないので、ボールを奪っても2トップが孤立していて遠い。

そんな中でも2トップの一角として出場した大迫は、2人に囲まれるとさすがにきついが、1対1のマークであれば重心を低くして正確にポストプレイをつなげでいたし、ハイボールに対するヘディングもジャンプのタイミングが良いのか五分以上で勝てていた。サイドに流れてクロスを出せるし、守備でボールも奪ったりするなど、攻撃の基点としては十分な働きを見せていた。が、彼は決して単独で何かが出来る選手じゃないので、チームが大迫の特性を活かす形にならなければ全く意味が無い。そこがケルンにとっての最大の問題点である。

大迫がせっかくポストでつないでも中盤のフォローが遅く、ボールを中盤に返してもサイドチェンジとクロスのどちらかが必ず不正確でゴールに飛び込むFWまで良いボールがまず来ない。それなら2トップの関係で崩せるかというと、大迫とコンビを組んだウジャーは球離れが遅くて攻撃を遅らせるか、無理なシュートを打つだけしか出来ない。前半14分にカウンターからウジャーが前を向き、大迫がサイドに流れた時に間にいた選手が倒れ、そのままパスを出せば大迫が完全にフリーだったのにそのままシュートを打ってしまった。大迫は激しく怒るべき場面である。

後半18分にウジャーからペシュコに交代して大迫と2トップを組んだのだが、彼のほうが大迫の近くでプレイしようとしていて、大迫が作る基点からドリブルでラインの裏を狙おうという意図がはっきり見えていて、これは期待できるかなと思っていたら残念な事に15分間で大迫が交代してしまった。ウジャーは6得点でチームのトップスコアラーではあるが、今は低迷しているので次は大迫とペシュコの2トップで行って欲しいと思うのだが無理だろうか。

試合は後半20分過ぎからケルンのラインが押し上げられなくなり、ボルシアMGがボールを支配してケルンは防戦一方。それでもケルンGKホルンの奮闘で粘ったがロスタイムにセットプレイからヘディングを浴びて敗戦。内容的には点差以上の差はあった。ケルンは今までのような負けないサッカーじゃなくて勝つためのサッカーへ転換しないと、間違いなく残留争いに巻き込まれるだろう。

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