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「やっぱりプレミアリーグでゾーンディフェンスは無理なのか」イングランド・プレミアリーグ第25節 リバプール-トットナム・ホットスパー

またTwitterでのゾーンディフェンス話を引きずってて恐縮だが、近年のJリーグでまともにゾーンディフェンスを機能させているチームがユン・ジョンファン監督時代の鳥栖しか無く、それも選手やクラブ上層部からは不人気(?)で更迭されるという始末で悲嘆にくれているわけだが、良く考えてみると世界一のリーグであるプレミアリーグもまともなゾーンディフェンスをしているチームがほとんど無いなという事に気づいた。

その中で例外的だったのがボチェッティーノ監督が率いていたサウサンプトンで、ロングボール&サイドアタックが未だに幅を利かせているイングランドに、コンパクトな守備と中盤のパスワークという概念を持ち込んで成功した。そしてそれはクーマン監督になってからも継続しているわけだが、それでは現在ボチェッティーノ監督が指揮を取っているスパーズはどうなっているのかなと思って、この試合を選んでみた。

で、結果から言うとサウサンプトンに比べるとまだまだ完成度は低いかなと。確かに4-4のコンパクトなラインを作ろうという意識ははっきり見えるものの、それは守備の人数が揃った時のみであって、そもそもSBの位置取りが高すぎてラインを作る前に守備を破られてしまう事が多すぎる。その典型例がリバプールのマルコビッチが挙げた先制点の場面で、GKがパントを蹴った時には自陣に2人のCBしかおらず、CHもSBも慌てて戻るものの全然間に合わず。こういうシーンってどっかの代表でも良く見られたような・・・(苦笑)

また、本来のゾーンディフェンスならSBがスカルトゥーラで高めの位置に上がってマークに入った時は、CBかCHが下がってサイドのスペースを埋め、SHが中央にシフトしてカバーするディアゴナーレの動きをするのが基本なのだが、SBの裏に誰も入らずに1対1を突破されてクロス、という場面も多かった。これはブンデスリーガでも良くある守り方なんだけど、アジリティに欠けるデカブツ選手が多いチームの場合は、下手にディアゴナーレをするよりは長身のCBとCHで真ん中を固めてクロスは弾き返せば良いと思っていたりするんだよね。

あとやっぱり、プレミアリーグは攻守の切り換えが速すぎてゾーンを悠長に作っていられるほどの時間が無いというのはある。せめてサウサンプトンのように味方だけでもポゼッション指向にしてボールを動かしつつ守備陣形を整えて押し上げる事が出来ればともかく、スパーズの攻撃はカウンター色が強くて縦に速いので、そうなるとゾーンの維持はどうしても難しくなってしまう。

日本代表のポジションチェンジ・ローテーションサッカーはゾーンディフェンスと極めて相性が悪いけども、プレミアリーグの速攻サイドアタックもゾーンディフェンスとの両立は難しいなと改めて認識した次第である。

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