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「ブンデス上位対決はカテナチオの勝利」ドイツ・ブンデスリーガ第20節 シャルケ-ボルシアMG

中2日で3試合というアジアカップもビックリなハードスケジュールの最後は、3位のボルシアMGとの対戦というハードな試合になったが、シャルケは勝利の方程式である先行逃げ切りのウノゼロできっちり勝ち点3をゲットした。

ディ・マッテオ監督が構築しているシャルケの3バックは、シーズン前半こそ不安定さを垣間見せたものの、今や完全に5-3-2のゾーンディフェンスとして完成されつつあるなと感じた。

4-4-2の基本的なゾーンディフェンスは、スカルトゥーラとディアゴナーレの連携が取れないと穴ができるし、バルサのようにゾーンの中でボールを受けるエントレリアネスの動きに弱いという弱点があるので、バイタルに1人置いた4-1-4-1が使われるようになったが、それもアンカーの横のスペースを使われだしてやや下火になりつつある。

そしてW杯のオランダやコスタリカが使って躍進し、一気にトレンドになったのが5バック。DFの5人が積極的にバイタルのスカルトゥーラを行い、残りの4人でスペースを埋めるためラインが破綻しにくいという利点が大きいが、WBの前のスペースを使われやすいのと、やはり攻撃に枚数が少なくなるという欠点がある。

その点、シャルケは内田とフクスというスタミナとスピードを持った選手が左右に揃っているのが大きく、以前はDFラインからは内田側にばかりボールが集まりがちだったが、左利きのナスタシッチが左CBに入った事でフクスのサイドにもビルドアップが振り分けられるようになり、展開のバランスが良くなった同時に内田が上がるスペースが出来やすくなった。そして上がったスペースはヘヴェデスが埋める連携がしっかり出来ている。

この試合ではさすがに疲労があるのか内田の上がる回数自体は多くなかったが、相手に勢いが残っている前半は動きをセーブ気味にして、中盤にスペースが出来た後半には上がる回数を増やして行くなど内田らしいペース配分を考えたクレバーなプレイぶりであった。

試合は後半18分に投入されたボルシアMGのトラオレの執拗なドリブルでバタバタした場面はあったが、19歳のGKヴェレンロイターも前節に比べると落ち着いたセービングでしっかり逃げ切り。これでシャルケはCLストレートイン圏内の3位に浮上。まだ6位とは勝ち点2差しか無いので安心は出来ないが、この守備の固さがあれば大崩れはしないのではないだろうか。

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