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「オーストラリアと韓国は変身した。さて日本は?」アジアカップ決勝 オーストラリア-韓国

日本が敗退してしまったのでアジアカップの残り試合は積極的に見るつもりは無かったんだけど、シャルケの試合が午後11時半からだったので嫌々録画で決勝を見てみた(笑)。

試合は前半終了間際にオーストラリアが先制するも、後半ロスタイムに韓国が執念で追いつき延長戦突入。そして延長前半の終わりにユリッチの粘りでサイドを突破、クロスを韓国GKキム・ジンヒョンが手に当てるもののこぼれ球をトロイージが押しこむという、交代選手が決勝点に絡む采配の勝利でオーストラリアが自国開催でアジアカップ初優勝を決めた。

それにしても驚いたのが、アジアカップでここまで無失点を続けていた韓国の守備。この試合では4-4-2にフォーメーションを変更したのもあってか、はっきりと今までのマンマークベースではなくゾーンディフェンスの考え方が浸透している事が分かった。

ラインはそれほど細かく制御はしないし、ボールと逆サイドにいる2列目の選手がそれほど高く上がらないので、組織としてはまだ雑なところはあるけど、相手陣内のボールには高い位置からプレスをかけ、ピッチ中央から前でボールを持たれた時には中盤が素早く戻って2ラインを組むなど韓国の選手全員に戦術意識が備わっており、これでもともと強い対人能力と組み合わさったらそりゃアジアレベルではそうそう点は取られないなと納得してしまった。

昔の韓国ならともかく、今の選手はKリーグでもJリーグでもゾーン的に守ることに慣れているし、やたらと自由なプレイとポジショニングを謳歌したがる日本に比べて組織への忠誠度は高いし、最近のA代表レベルでは対戦成績で上回っている日本だけど、アジア予選では相当警戒する必要があると思う。

そしてその組織だった守備を崩すのはいつだって個の能力なわけで、前半終了間際に決めたオーストラリアの先制点は、縦パスを受けたルオンゴがかつての香川ばりのターンからミドルシュートを決めたもので、これは紛れも無くワールドクラスのゴールだった。世代交代に苦しんだオーストラリアだが、彼のようなテクニックを持った選手が中心になったパスサッカーが完成されつつある。

今までのアジアに対する日本の戦略は、フィジカルやロングボールに対してテクニックとパスで打開するという方針だったが、中東もUAEのようにパスを繋いで来るチームが現れ、韓国もオーストラリアもモダンなサッカーを身に付けつつある。相手が自分たちと同じ土俵に立った時に問われて来るのは組織のレベルよりも1対1の能力である。日本の五輪世代より下の選手は相当奮起しないと今後は厳しい立場になる可能性は高いだろう。

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