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「吉田麻也の契約更新を祝うサウサンプトンの快勝」イングランド・プレミアリーグ第20節 サウサンプトン-アーセナル

年末の試合で首位のチェルシーを相手に引き分けを演じたサウサンプトンは、年明け最初の試合でもアーセナルを2-0で退け、3位のマンUに勝ち点1差と再びチャンピオンズリーグ圏内に食い込んで来た。

現在のサウサンプトンの強みはこの試合でアーセナルをクリーンシートで封じたように守備の硬さ。チェルシー戦ではアザールらの2列目にハードなプレスをかけて前を向かせない事を主眼に置いたのに対し、アーセナル戦では縦のスペースをきっちり埋めて相手が得意とするカウンターを未然に防ぐなど、試合ごとに異なった守り方を使い分けられる点である。

組織的には別にゾーン・ディフェンスを駆使しているわけではなく、SHが相手のオーバーラップに付いていくような日本でも良く見られる形の守備なんだけど、選手のポジションバランスが良くて高さがあるのでなかなか穴が出来ない。特にレギュラーCBのフォンテとアルデルヴァイレルト、ワニャマが作る三角形が非常に安定しており、ザルツブルクから移籍したマネがこの試合でも難しい角度からの先制点を決め、これでリーグ戦は3試合連続ゴールと新加入の選手がことごとく大当たりしている。

逆にアーセナルは、年末の試合で頭突きにより3試合の欠場になったジルーを欠いたためサンチェスが先発したのだが、高さとフィジカルで基点を作れるジルーの代役は果たせず、至近距離からの決定的なシュートもサウサンプトンGKフォースターにことごとく阻まれる不運もあったが、サウサンプトンよりも明らかに力が上とは思えなかった。

そういう状況なので吉田麻也はなかなか先発で起用させてもらえないのだが、この試合では71分から右SBとして途中出場し、オーバーラップから当たり損ねのクロスで危うくカウンターを食らいかけたものの、アーセナルのキーマンであるウォルコットを無難に封じ込めるなどクーマン監督の信頼もそれなりに集めているようだ。そしてその信頼を証明するように、吉田はサウサンプトンと新たに3年契約を更新した。

毎試合やらかす癖も最近はその確率が確実に減っており、ドリブラーに弱いのとプロブロガー(笑)としての活動からか不当に存在を軽く見られがちだが、間違いなく日本最高のDFである事は間違いない。すっかりベテラン扱いだが年齢的にもまだ26歳でDFとしてまだまだ経験を詰める余地がある。問題は彼自身よりも欧州でプレイする守備選手が後続して来ない事だが・・・そういう意味では世界と戦えるフィジカルを持っている植田選手にはアジアカップで是非ブレイクしてもらいたいところだ。

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