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「突如崩壊した中津東のマンマークディフェンス」高校選手権3回戦 履正社-中津東

年始参りやら駅伝やらでダラダラしていたら、いつの間にか高校サッカーも3回戦。大阪では当然ながら履正社の試合が放送されていた。

対戦する中津東と履正社のサッカーは基本的に良く似通っており、4-4-2と4-2-3-1という違いはあるが、守備は後ろの4人が早めのタイミングでマンマークに付くというスタイルで、ここも残念ながらゾーン・ディフェンスではなかった。

試合は履正社のほうボールをキープして中津東がカウンターという形なのだが、履正社のポゼッションがなかなか興味深くて、中盤ではワンタッチで回すんだけど前線にクサビを入れてボールを運んでいくのではなく、相手のマークから逃れるようにサイドや後ろへと回しては最後にロングキックを蹴って選手を走らせるという珍しいタイプ。

それじゃポゼッションの意味が無いのではと思ったし、実際にショートカウンターから中津東に先制点を奪われたのだが、前半終了間際に偶然のようなゴラッソボレーで履正社が追いつくと、後半は一方的な展開になってしまった。

ここまで忠実に履正社の前線に対してきっちりとマンマークについていた中津東のディフェンスが何故か大混乱に陥り、まず後半3分にショートコーナーから履正社FW林がどフリーでヘディングを決める。中津東はゴール前の人数で足りていながら、何故かゴールポストに入るでもなくラインを作るでもなく守備陣がバラバラの棒立ちになって、誰も林を見ていなかった。その9分後にもセットプレイからの流れでフィードを林が頭で決めるが、この場面もやはり林は完全にフリーだった。

これで中津東のディフェンスは見事に崩壊、履正社のパス回しに対してマークに行く動きが遅れてついて行けなくなり、後半17分にピッチ中央をパスワークで崩され最後はループ気味のシュートを決められ4点目、これで完全に勝負あり。試合終了間際にも追加点を取られて5-1で終了。

最初はなんじゃこりゃと思った履正社の攻撃だったが、後から考えてみると中津東の守備がかなり早いタイミングでマンマークを付けてくるので、中盤まで引き寄せてから後ろへ走らせることで相手の消耗を計った頭脳プレイだったのかもしれないね。そういう意味では今後の試合でどういう真価を見せてくれるのか楽しみである。

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