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「マンチーニのハッパで暴走した長友機関車もさすがにヘロヘロ」イタリア・セリエA第16節 インテル-ラツィオ

マンチーニ監督はさすがにビッグクラブを率い続けて来たレジェンドだけあって短期的な結果は全く考慮していないようで、前回せっかく初勝利を挙げたチームのフォーメーションを大きくいじって来た。

具体的には4-3-1-2から4-4-2へと変更し、左サイドは何とドドーがSBで長友がSHという本来の適性からすると正反対な配置をして来て、これが案の定見事に大ハズレをしてしまう(笑)。

何しろドドーは対面のSHが中に入るとそのまんま付いて行ってしまうので、インテルの左サイドががら空きになってラツィオの右SBバスタが楽々オーバーラップし、仕方なく長友が戻って付いて行ってほとんど5バック状態になっていた。前半わずか2分でラツィオが先制してしまった場面でも、直接的な原因はラノッキアが誰をマークするのか迷った事にあるものの、右サイドから2人も突っ込んで来たのは多分にドドーのマークミスだろう。

さすがにマンチーニ監督もこれはまずいと思ったのか前半5分で長友とドドーの前後を逆にしたが、その後もドドーは長友が上がった場合のスペースを埋めてくれないのでCBに負担がかかり、ラツィオにカウンターから追加点を取られた後、何と前半残り1分でドドーはメデルと交代させられてしまった。解説の野々村さんもコメントしてたが、こういう明らかな懲罰交代を平気で出来るところがまたマンチーニならではだなと。

しかしその見せしめがインテルにとってカンフル剤になったのか、前半から攻勢を強めていたインテルは後半さらにペースアップ、ドドーという重石から解放された長友がガンガンオーバーラップしまくり、もうラツィオのSHは長友に付くのを諦めたのでSBのバスタをボールに引きつけさえすれば裏を取り放題、クロスの精度は残念だったが明らかにインテルの攻撃に長友が勢いを与えていたと言える。

そしてインテルは何度も何度もシュートチャンスを作るものの、ラツィオGKマルケッティの好セーブもあってなかなか得点できず、今日はインテルに運が無い日かなと思われた21分にコヴァチッチがダイレクトボレーでゴラッソを叩き込んで1点差。そして31分に投入したボナッツォーリ(馬面じゃないほう)の起用が当たり、彼のFKから最後はパラシオが押し込んで同点。その後もインテルが押しまくるもののそのままスコアは動かず2-2のドローで終わった。

インテルは2点をリードされながらも気持ちを切ること無く攻めに攻めて追いついた、かつて強かったころのインテルらしい強引さが見え始めたのは好材料。ただし相変わらずイカルディはセンターフォワードとして確実性が無く、その割に試合後は何やら長友と言い争いをする有り様。今後本当にチャンピオンズリーグ圏内を目指すのであれば、パラシオ以外にFWの軸となれる選手の獲得は必須だろう。

長友は体力的にはほぼ絶好調で、何度オーバーラップしたか分からないぐらいに暴走しまくり。最後はさすがに足元へ来たのかクロスの質がさらにヘロヘロになっていたが、それでも走る事だけは全くサボる気配が無かった。失意のブラジルW杯から心機一転、吹っ切れた長友の姿をアジアカップで見せてもらいたいね。

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