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「ガンバとシャルケにあって、山形とドルトムントに無いもの」天皇杯 決勝 ガンバ大阪-モンテディオ山形

来年1月のアジアカップ開催と国立競技場改修工事の影響で、今回は12/13が決勝日となった天皇杯。個人的には契約公開時期に重なるので天皇杯は元旦にやらなくても良い派なんだけど、やっぱり何となく天皇杯っぽくないなあと思ってしまったのは事実で、客入りや視聴率を考えたらやっぱり当面は動かせないんだろうなあと(苦笑)。

さて試合の方は、大方の予想通りガンバがモンテディオ山形に対して3-1と力の差を見せつけての勝利となり、ガンバはJ2から昇格した年に三冠を記録するという史上初の快挙(怪挙?)を達成した。

この試合の勝敗を決めたポイントを2つ上げるすると、「自信」と「見切り」ではないかと思っている。

試合の序盤は意外にも山形が前からプレッシャーをかけて来たが、やはり地力で劣る山形にとっては先に点を取ってガンバを焦らせ、守備を固めてカウンター狙いに持ち込みたいという思惑があったのだろう。しかしガンバは山形の攻撃を慌てずじっくり受け止め、逆にパトリックへのロングボール一発から宇佐美が先制点を挙げてしまった。この時点で山形のゲームプランは崩壊したと言って良い。

ガンバにしてみたら、パトリックと宇佐美の2トップにボールを供給すれば絶対に点を取ってくれるという信頼感があるので、決してチームが慌てる事がない。かつてはレヴァンドフスキにボールを集めれば香川が得点につなげてくれていたのに、今はいくら攻めてもシュートを撃っても点にならないドルトムントの試合を見ても分かる通り、おそらく宇佐美だけ、パトリックだけではその自信は生まれないはずで、いかにチーム編成というものが大事で、そこの紙一重の差が結果的に巨大な差になってしまうのかの証明である。

そして後半17分に山形が1点差に迫った場面。ガンバの守備戦術は、最終ラインは比較的規律を保った動きをするのだが中盤の4人はかなり自由に動いていて、遠藤と今野は自分の判断で最終ラインに吸収されてしまう事が多く、この失点シーンではガンバのPA内には実に8人の選手が一線に並んでしまっていた。

もし山形にセカンドボールを拾ってからミドルシュートという武器があれば、中盤が薄くなりがちなガンバの守備を打ち破ることは難しく無かったのだろうが、国際試合ならともかくJリーグでは最終ラインに人を並べておけば怖くないという遠藤と今野の見切りがあったのではないか。そこも、チャンピオンズリーグのグループリーグ最終節でじっくりとマリボルを料理したシャルケの姿勢を思い出す。

来年早々からアジアカップがスタートするが、願わくば日本代表もアジアの国に対して良い意味で自信と見切りを見せつける余裕のある試合運びを示してもらいたいところである。

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