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「久保が2ゴールも、ここから上に行くにはもう一つ足りない」ヨーロッパリーグ グループI ヤング・ボーイズ- スロヴァン・ブラチスラヴァ

ここまでグループリーグは2勝2敗、グループ1位と2位のスパルタ・プラハとナポリとは勝ち点3差で残り2試合という事で勝利が絶対に必要だったヤング・ボーイズ。

相手はここまで全敗、得失点差-14と完全に草刈り場となっているスロヴァン・ブラチスラヴァとは言え、せめてホーム最終戦で勝利と意気上がる相手に対して序盤に決定的なピンチを迎えるなど危なっかしい立ち上がりだったが、ラッキーな事に前半9分にゴール前で競ったボールが相手の腕に当たるPKをもらって先制点をゲット。

その3分後にヴィロティッチがトラップにもたついている間にボールを取られて同点に追いつかれるものの、18分にFKから頭で折り返されたボールを久保がスライディングしながら右足に上手く当てて勝ち越しゴール。後半18分にもゴール前右サイドから出されたパスをGKより先に触って2点目を決め、久保が試合を決定づけた。

そしてラッキーな事に、裏の試合でスパルタ・プラハとナポリが引き分けたため、ヤング・ボーイズは最終節のホームでスパルタ・プラハ相手に勝利すればグループ勝ち抜けが決まる事になった。

とは言え、チームの状況はあまり楽観視は出来ない。スロヴァン・ブラチスラヴァがヤング・ボーイズ以上にザルだったので良かったが、守備は中盤があちこち動きまわってボールホルダーを追っかけているのはいいんだけど、DFラインが全く連動していないのですぐラインの裏を取られてしまう。そしてCBはアジリティが低く、この試合でも相手の1トップだったスマーという小柄なアフリカンのドリブルにきりきり舞いさせられていた。相手に決定力があれば4点入れられてもおかしくなかった内容だ。

久保については、以前のひょろっとした体格からは大分厚みが出て来て、味方のビルドアップ能力が高くなくて機会自体は少なかったが、少々ポストプレイで当たられてもしっかりキープが出来るなど、現在の日本人選手の中では、本田までは無理としても大迫や岡崎よりは純粋なキープ力は高いかもしれない。

が、ここから上のリーグやチームを狙うとなると、スピード、スタミナ、高さ、テクニックといった部分で飛び抜けたものが無いので、決定力を磨いていくしか方法は無さそうである。この試合で2得点を決めたのをきっかけに、よりストライカーとして完成されていって欲しいものである。

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