旧閑ガゼッタ

「やってるサッカーとは対照的、攻めの山形と守りの千葉となった試合への姿勢」天皇杯 準決勝 ジェフ千葉-モンテディオ山形

天皇杯という国内最高峰のカップ戦の準決勝なのに、千葉と山形という関西には縁の無いチームが平日雨の長居で試合をやったのもあって観客数はわずか2200人と極めて寂しい舞台での開催になってしまった試合。

そして試合の勝敗も、次の日曜日から開催がスタートするJ1昇格プレーオフに残ったJ2の2チーム同士の対戦とあって、千葉の方はリーグ戦から主力をごっそりターンオーバー、しかもそのメンバーについても元山形の選手を起用するなど、関塚監督自身は「いつもの天皇杯と同じ起用」と抗弁はしていたが、実質的に山形に対する手の内隠しである事は疑いようも無かった。逆に山形はベストメンバーを並べて来た。

千葉のFWは前節に頭を打って退場した森本、そしてケンペスの代わりにU-19代表で知られるようになったオナイウ阿道と戸島という若い2トップを起用。比較的高さのある2トップでキープ力に期待したのかもしれないが、やはりそう甘くはなく千葉は前線で基点が作れず、山形の両サイド、特にキムボムヨンに攻めこまれていきなりクロスから山崎に決められて失点。

前半20分ごろからようやく千葉が落ち着きを取り戻し、序盤は混乱していた4-4-2のポジションバランスが向上して山形を押し返すようになる。そして前半22分にCKからファーサイドにいた竹内がヘッド、これがブラインドとなってGKの手をかすめて決まり同点。しかし山形も同じように33分のCKからキムが高い打点のヘッドを返し、山形が2-1でリードして後半へ。

後半からは逆に千葉が完全にペースを握る。前半の序盤は劣勢だったサイドで主導権を握り、山形はWBが後ろに押し込まれて常時5バックになり、ダブルボランチの両脇がガラ空きになってそのスペースを千葉に使われてサンドバック。後半10分に阿道の落としから谷澤がファーサイドに狙いすましたシュートを決めたのを皮切りに、千葉が雨あられとシュートを放つものの山形GK山岸がことごとくセーブして何とか踏ん張る。

ようやく千葉が攻め疲れてペースが落ちたなと思った後半26分、山形がカウンターのチャンスを逃さず、川西のドリブルから最後は右サイドを走って来た山田にスルーパスが出て、これを山田は落ち着いて蹴りこみ再び山形がリード。千葉は山中、ジャイールを入れて1ボランチで攻撃的に出るものの山形の守備は最後まで崩れず試合終了。

まあ、千葉にしてみたら天皇杯に優勝してACLに出ても大変なだけだし、名を捨てて実を取る作戦で計算通りというところかもしれないが、昇格プレーオフのような超短期決戦はコンディションや手の内うんぬんではなく試合中のちょっとした出来事で流れが決まってしまうメンタルゲームであり、万全を期せば期すほど隙が出やすいとも言える。そして山形は疲労は溜まるだろうが千葉に勝った事が自信につながるかもしれないし、結局は何とでも後付の理由になるものだ。さて彼らにとっては「本番」となるプレーオフでどう出るか。