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「新生マンチーニ・インテルは意外と理詰めなチーム作り」イタリア・セリエA第12節 ACミラン-インテル

インテルはマンチーニ監督が就任して初めての試合、そして本田と長友のダービーマッチ初対決と話題が多かったミラノダービーは、ダービーらしく激しい展開の末に1-1という、結果もまたダービーらしい痛み分けのドローに終わった。

本田が先発しなかったので、個人的な観戦の焦点は自然とマンチーニ監督がどういった戦術で臨んでくるのかという部分に移ったのだが、ドドーと長友という3バック戦術で攻撃的なWBを担っていた2人をSBに起用すると同時に、インサイドハーフにはグアリンとオビというフィジカルとスタミナに長けた選手を起用してSBが上がったスペースをカバーさせるという、意外と選手の特性を活かした理詰めの采配をしてきてちょっと驚いてしまった。

そのおかげで試合の流れは序盤からインテルに傾いた。ミランは好調だった右SBアバーテが怪我で本来はCBのラミが務めていた事もあって、右SHのボナベントゥーラは上がりよりも守備を気にしてバランスを取らざるを得ず、左SHのエル・シャーラウィは頻繁に上下動を繰り返す長友に押されてこれまた上がれず、ベルルスコーニ会長お気に入りのトーレスはいつものようにマークで消されと、サイドの攻防で後手に回って攻撃の形が作れない。と思ったら、カウンターから長友がマークの相手を迷ってる間にメネズがフリーになってミランが先制点をゲット。

これでミランは中央の守備をしっかり固めるようになり、今度はインテルの3トップであるイカルディ、コヴァチッチ、パラシオがなかなか中でボールを持つことが出来ずにインテルの攻撃はサイドでボールを回すだけになってしまう。が、そこを崩したのが長友のスタミナ。前半よりもさらにガンガン上がってとにかく強いクロスを入れまくる執拗な攻めが功を奏し、61分に長友のクロスをミランのサパタがクリアミスをしてしまい、こぼれ球をオビが押し込んでインテルが同点に追いつく。

そこからインテルはエルナネス、ミランは本田というレギュラークラスの選手を投入して勝負に出るが、本田はドリブルからカットインしてのシュートがGK正面を突き、イカルディとエル・シャーラウィの決定機はあったがどちらもバーに当ててしまって得点にならず、そのままスコアが動かずに試合終了。

インテルのSBを活かす戦術は面白いとは思ったが、それをやるなら1トップがイカルディというのはちと弱いし、パラシオがウイングでエルナネスがサブというのはもったいなく、サイドの攻撃力をどう中と繋げるかという点では課題が残った試合だったように思う。ミランの方は、ボナベントゥーラを右ウイングにして本田がいた時とは逆の左肩上がりで長友の裏を狙ったっぽいが、1点は取ったが全体的に見れば策が成功したとは言えなかった。本田が入ってからいくつかチャンスは作ったので、出来れば最初から使って欲しかったね。

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