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「イングランドは運にも助けられたが力の差は歴然としていた」ユーロ2016予選 グループE イングランド-スロヴェニア

フェロー諸島がギリシャを破ったり、リヒテンシュタインがモルドヴァに勝つなど小国の活躍が目立った第4節。しかしイングランドはホームでグループ2位のスロヴェニアを3-1で一蹴、ここまで盤石の4連勝で独走態勢を築きつつある。

ただしスロヴェニアは57分までは完璧な試合運びだった。中欧勢はオーソドックスなゾーンディフェンスを敷いてくる国が多く、この試合のスロヴェニアも例に漏れず4-4-2でしっかり守り、前半はダイアモンド型の4-3-1-2を組んできたイングランドの前線3人、ウェルベック、ルーニー、スターリングをゾーンでパックしてチャンスを作らせなかった。そして後半12分にイングランドのヘンダーソンが完璧なヘディングを「自陣に」叩き込んでスロヴェニア先制。

しかしその直後に、審判が帳尻を合わせるかのようにルーニーが足を残して引っ掛けられた微妙な判定のPKをイングランドに与え、ルーニー自身が思い切り蹴って同点に。これで一気にイングランドのほうに流れが傾いてしまい、21分に右サイドを突破したララーナのシュートをいったんはスロヴェニアGKが弾いたものの、こぼれ球にウェルベックが反応、ボールは当たり損ねだったが上手くゴール隅に飛び込んでイングランドが逆転。

こうなってしまうと俊敏性に欠けるゾーンディフェンスのチームは厳しい。スロヴェニアは疲労で前からのプレスがかからなくなってサイドにフィードを散らされ、そうなると基点の位置にラインを揃えないといけないのでゾーンが後ろにズルズルと下がり、ゾーンの間がPAの中になるとそうそうタックルも仕掛けられず、ウェルベックがスターリングとのワンツーで抜けだされてあっさり3点目を献上。これで試合は勝負あり。

イングランドのウェルベックはこの試合で2得点、アーセナル移籍後からのリーグ戦ゴール数に並ぶ活躍で鬱憤晴らしの大活躍。やはりマンUで長らく一緒にプレイしてきたルーニーが相棒だと、息も合っている上にマークがルーニーに集中するのでプレイがやりやすそうだ。アーセナルでは1トップで起用されてはいるが、本来は前線で基点になると言うよりスピードでラインを突破するシャドーストライカー向きなのだと思う。香川と一緒でマンU時代にあまり正当な評価を受けてなかった選手だと思っているので、個人的にこの活躍は嬉しいね。

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