旧閑ガゼッタ

「復調しつつあるマンU、もし香川がいたらどうだったか」イングランド・プレミアリーグ第10節 マンチェスター・シティ-マンチェスター・ユナイテッド

香川がドルトムントに移籍し、吉田は怪我もあってサウサンプトンでの出場機会が奪われてしまったために、すっかりご無沙汰しているイングランド・プレミアリーグ。香川後のマンUの様子を見るついでにマンチェスター・ダービーを見る事にした。

マンUは序盤から試していたブラジルW杯仕様の3-5-2戦術を断念、オランダ人監督としては自家薬籠中の物である4-3-3に衣替えしていた。そして中盤がアンカーのブリントの前にルーニー、フェライニが並ぶ逆三角形、CBはロホとスモーリングと、昨シーズンから選手も起用法も大きく様変わりさせて来た。

が、さすがにファン・ハールはモイーズとは違って編成は理にかなっており、CBにまずまずスピードがあるロホを入れて正統派アンカータイプのブリントと連携して以前はスカスカだったバイタルエリアをきっちりパック。足元のテクニックは無いけど高低に関わらずボールを収められるフェライニ、攻守万能なルーニーで中盤の支配力を力技でアップ。そしてディマリアが幅広く絡んで前線と中盤をリンクと、選手の役割分担が噛み合って内容的にはかなりバランスが取れる戦いが出来るようになっていた。

ただ、チームとして既に円熟の域に入っているシティとは残念ながら差があった。アグエロを1トップに据えたシティの攻撃は、とにかくインサイドハーフからウイングへとつながる攻撃が異常に早く、中盤の3枚が同じ位置でマッチアップしているマンUのわずかなマークのズレを突いてサイドをえぐってくる。そして矢のようなクロスが飛んで来てもアグエロがきっちり合わせて得点をもぎ取る。日本代表だとアタッキングサードに入ってからコネて横や後ろにパスしてしまう事が多いが、シティは0.5秒もかからずに最期まで攻め切ってしまうので守備が分かっていても追いつかない。

その点では日本代表ほどじゃないがマンUもスピード不足が目立ち、速い攻撃といえばファン・ペルシの裏抜けやディマリアのドリブルカウンター、前線に飛び出したフェライニの落としぐらいしかバリエーションが無く、まだまだ攻撃が単発なのは否めない。試合の終盤こそシティが引いたおかげで攻勢には出られたが、スモーリングが退場してからアグエロのゴールを挟んだ後半30分ごろまではほぼ何もさせてもらえなかった。

しかもせっかく調子が上がってきたのにCBのロホが長期欠場の怪我をし、エヴァンスとジョーンズは怪我から復帰せず、スモーリングも1試合の欠場でマクネア、キャリックの2人がCBをやる事になりそう。これが吉と出れば良いが、まだまだ危機は続きそうだ。

あと、このマンUに香川がいたらどうなってたかも注目して見ていたんだけど、やはり4-3-3のポジションではインサイドハーフぐらいしか無く、バランスを考えたらルーニー、マタと3人で同じポジションの争いになるので出番がほとんど無くなっていたのは確かだろう。そしてルーニーとマタではどうしてもマタがサブ行きになってしまうわけで、つくづくビッグクラブのレギュラー争いの厳しさを思い知らされる。