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「J2は最もW杯の影響が色濃く残っている?」J2第38節 松本山雅FC-カターレ富山

この土日はスカパーが無料放送デーだったので普段はなかなか見られないJ2の試合をチョイス。

選んだのは、かたやJ1への自動昇格が視野に入ってホームスタジアムのアルウィンをサポーターで一杯にしている松本、そしてもう一方は少ない予算のために結果を出せない監督を交代できず、ほぼJ3への降格が決まりつつある富山という残酷なまでに対照的なクラブの対戦。

結果的に言えばホームの松本が順調に2-1で勝利を飾ったのだが、富山の健闘が光るというか勝ってもおかしくないだけの内容を見せた試合であった。

松本のフォーメーションは通常通りの3-4-3で、富山も最近採用したらしい3-4-3で完全なミラーゲームとなって展開。こうなるとJ2の攻撃力ではミスとセットプレイしかゲームは動きにくくなるもので、前半は松本がボールを支配するも富山はしっかりと守って前線で基点を作らせず、逆に松本のミスからショートカウンターを繰り出してあわやのシーンを作るのだが得点までには至らず。ここで1点でも入っていれば結果は違っていただろうが運は富山に転んでこなかった。

そして後半に入って富山が盛り返したなと思ったところで松本がセットプレイから62分、71分と2得点を重ねるというあまりにもお約束の展開。富山も2分後には同じようにセットプレイから1点返すものの、最後は松本がしぶとく粘って守り切った。

ブラジルW杯では、オランダやコスタリカが5バックフォーメーションを駆使して旋風を巻き起こしたが、そのオランダのファン・ハール監督はマンUでも3バックを採用しようとしてうまく行かず、最近は4バックに戦術を戻しているし、マインツもたまに3バックにするが岡崎が孤立と、やはりピッチと気候が良い欧州では中盤のプレスが効きにくい3バックは苦戦を強いられている様子である。

しかしJ2では得点力が計算出来ない以上、まずは点を取られない事が重要であり、一時は4バックのゾーンからカウンター狙いのチームが多かったが、今やJ2上位の湘南、松本、ジュビロがこぞって3バックを採用する事態になっている。これは、3バックが増えるとポジションギャップが出来る4バックより3バックのミラーにしたほうが守備組織の混乱が少ないという事情もあるのだろう。

負けた富山は今節での降格決定は免れたものの、残留には残り試合の全勝が絶対条件と極めて厳しい状況。残念ながら挽回はほぼ不可能だろう。松本は3位の磐田が引き分けたために勝ち点は10差に。次の福岡戦で勝利すれば昇格決定という段階までたどり着いた。無駄に熱い北信越リーグと呼ばれてから早6年。とうとうゴールは目前である。

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