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「香川ボランチ起用の奇策も全てが裏目」ドイツ・ブンデスリーガ第9節 ボルシア・ドルトムント-ハノーファー

ともにリーグ戦では最近不調に陥っている同士の対戦となった試合は、さすがに今度は勝つかと思われたドルトムントのほうがホームで0-1の敗戦を喫し、チャンピオンズリーグの結果とは正反対に泥沼のリーグ4連敗となってしまった。

とは言え、ドルトムントの内容的には今まででは一番マシだった。序盤にいきなりビッテンコートをフリーにするミスはあったがそれ以降の守備は比較的安定していたし、CKは14本、シュートは17本を放つなどチャンスもたくさん作った。が、少なくとも4本の決定的な場面があったロイスを始め、自慢の攻撃陣がそれをことごとく物に出来なかった。

そして体を張った守備とドルトムントの拙攻で何とかしのいでいたハノーファーが、62分にゴール左側20mからの直接FKを蹴ると、ボールは鋭く落ちてドルトムントGKヴァイデンフェラーの手をすり抜けて値千金の先制点をゲット。

ドルトムントはそこまで温存していた香川をボランチとして投入し、最後はインモービレまで入れるというクロップらしくない無理矢理な采配も実らず、ハノーファーは試合終了間際にジェイフンが2枚目のイエローで退場しながらも守りぬき、ドルトムントとの絶不調対決を制した。

香川のボランチとしてのプレイはまずまずだったが、何かを変える事を期待されていたという側面から見ると物足りなかったのは事実。つーか、確かに香川はボランチも出来る選手だけど、そこでは彼の良さは全く生きないよね・・・個人的にはセルフィッシュなプレイが目立ったムヒタリアンと交代すべきだと思ったんだけど、その辺にクロップらしくない焦りが感じられた。

やはり以前にも指摘したようにラモスもオーバメヤンもスペースがあってこそ生きるタイプであってポストプレイをこなす役割の選手がおらず、この試合でも香川がボールを持ってもパスの出しどころに迷う事が多く、攻撃の芯となるべき形が一向に見えないのが一番の問題である。ここまで来ると、もはや冬の移籍に期待するしか無いのだろうか。

清武については、FKを決めて殊勲選手となったものの試合全体では相変わらず低調なまま。点を決めてからいきなりハノーファーの動きが良くなって清武のプレイにもリズムが出たのを見ても、やはり自分で局面を打開するよりも周りを使ってナンボの選手。そういう意味ではトップ下よりもボランチ向きだと思うのだが、あんまり守備も上達していないのでそれも難しい。攻撃選手なら打開力、守備選手なら守備力を鍛える目標を持たないと、アギーレジャパンでも使いどころに困る選手になってしまいそうだ。いい加減奮起に期待したいが・・・

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