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「調子の悪い時のプレイにこそメンタルの成長が現れる」欧州CL

リーグ戦では2勝5敗1分けと絶不調に陥っているドルトムントだが、何故かチャンピオンズリーグでは絶好調で、第3節のアウェイ・ガラタサライ戦でも4-0と快勝、勝ち点を3位と8差の9にまで伸ばしてほぼグループリーグ突破が見えて来た。

まあ現在のリーグ戦での不調は、ドルトムント相手には最初から守りを固めて来るチームが多く、前線で基点となる選手が不在でボールが落ち着かない割に守備のラインが高くてミスから裏を取られてしまうという、どっかの代表でも良く見るお馴染みのパターンだから、相手が比較的攻めに出て来てくれるチャンピオンズリーグではそれほど苦労はしないだろうという予測はあった。

ただ、それでもさすがに先制点を奪われて追いかける展開になると厳しいかなと思っていて、実際に試合の序盤は相変わらず自陣でのミスからラインの裏を取られたりする場面を作って危なかったものの、ラッキーな事に何とか無失点で抑えることが出来、ガラタサライが激しく前からプレッシャーをかけて来たため、逆にカウンターから2つのチャンスで2点を奪う展開になったのが非常に大きかった。やはりオーバメヤンとロイスはこういう形になれば世界最高レベルである。

そしてレギュラーのドゥルムが怪我をして前節ではグロスクロイツが入っていた左SBに、この試合ではCBのパパスタソプーロスを起用した事も当たった。やはり彼の攻め上がりには期待できないものの、3人目のCBとしてフンメルスとスポティッチをカバーし、2トップとその下でフラフラと浮いているスナイデルをしっかりと抑えこむことに成功、特にドルトムントが2点目を取ってからは安心してDF陣を見ていられるようになった。

加えてチーム全体での守備意識の向上。この試合の香川はコントロールこそミスは少なかったものの、踏ん張れずに体勢を崩す事が多くて2度のシュートチャンスでミスをしたりと本人自身が体が重いと言っていたように終始プレイにキレを欠き、前線の4人の中では最も攻撃面で目立たない存在になってしまっていた。

が、その分をカバーするように守備では献身的に働き、トップ下での積極的なファーストディフェンスはもちろん、ロイスやムヒタリアンとポジションチェンジをした時には低い位置までサイドのカバーに戻ったりと、そのポジションで求められる守備のタスクを怠らない姿勢が非常に目立った。

今までの香川だったら、チームや自分の調子が悪い時ほど攻撃の事に頭が行ってしまい、周りの状況に関わらず自分がフリーになる事を優先して全体のポジションバランスを崩していたのだが、そういうプレイがほとんど見当たらなかったのは良い意味でサプライズだった。その利他的な姿勢をブラジルW杯の時に見せて欲しかったと思うが、その経験があったからこその心境の変化かもしれない。

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